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一束
「一束〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一束の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
を聞いたのはそれから十分の後《のち》である。もう少し詳しい事は、翌日の新聞の十把
一束《じっぱいっそく》と云う欄にのせてある。それによると、ひょっとこの名は山村平....
「河童」より 著者:芥川竜之介
いかなれるかを知るものなし。
問 予は予の机の抽斗《ひきだし》に予の秘蔵せる
一束《ひとたば》の手紙を――しかれどもこは幸いにも多忙なる諸君の関するところにあ....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
した。「多加ちゃんがあすこへはいると直《すぐ》に、日曜学校の生徒からだって、花を
一束《ひとたば》貰ったでしょう。さあ、お花だけにいやな気がしてね」そんなことも話....
「Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
を着た、敏捷《びんしょう》そうな奴である、ボイは、黙って、脇にかかえていた新聞の
一束《ひとたば》を、テーブルの上へのせる。そうして、直《すぐ》また、扉《ドア》の....
「葱」より 著者:芥川竜之介
んだ札《ふだ》の上へ落ちた。札には墨黒々《すみくろぐろ》と下手《へた》な字で、「
一束《ひとたば》四銭《よんせん》」と書いてある。あらゆる物価が暴騰した今日《こん....
「少年」より 著者:芥川竜之介
後《のち》、目くら縞の懐ろからナイフだのパチンコだのゴム鞠《まり》だのと一しょに
一束《ひとたば》の画札《えふだ》を取り出した。これは駄菓子屋《だがしや》に売って....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
れ。早く。――早くしないと、大変だから。」
常子はやむを得ず荷造りに使う細引を
一束《ひとたば》夫へ渡した。すると彼はその細引に長靴の両脚を縛《しば》りはじめた....
「想片」より 著者:有島武郎
か》を歌うものでしかありえない。このことについては「我等」の三月号にのせた「雑信
一束」(「片信」と改題)にもいってあるので、ここには多言を費やすことを避けよう。....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
々とした禰宜いでたちで、蚊脛を絞り、鹿革の古ぼけた大きな燧打袋を腰に提げ、燈心を
一束、片手に油差を持添え、揉烏帽子を頂いた、耳、ぼんの窪のはずれに、燈心はその十....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
く、臨風榜可小楼。 「……とある、いかさまな。」 「床に活けたは、白の小菊じゃ、
一束にして掴みざし、喝采。」と讃める。 「いや、翁寂びた事を言うわ。」 「それそ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
で甲を殺す……この熊漢の前に、月からこぼれた白い兎、天人の落し児といった風情の、
一束ねの、雪の膚は、さては化夥間の雪女であった。 「これい、化粧が出来たら酌をし....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
皿に、添えものが堆く、鳥の片股、譬喩はさもしいが、それ、支配人が指を三本の焼芋を
一束ねにしたのに、ズキリと脚がついた処は、大江山の精進日の尾頭ほどある、ピカピカ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
て杭に支えた。泡沫が飛んで、傾いた舷へ、ぞろりとかかって、さらさらと乱れたのは、
一束の女の黒髪、二巻ばかり杭に巻いたが、下には何が居るか、泥で分らぬ。 ああ、....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
。……道の奥の方から、帽子も被らないで、土地のものらしい。霜げた若い男が、蝋燭を
一束買ったらしく、手にして来たので、湯治場の心安さ、遊山気分で声を掛けた。 「ち....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
近代の牧羊神もやはり十字架を荷っていた。…… 一時間ばかりたった後、給仕は僕に
一束の郵便物を渡しに顔を出した。それ等の一つはライプツィッヒの本屋から僕に「近代....