一枚[語句情報] » 一枚

「一枚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一枚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
の飾り窓。巻煙草の缶《かん》、葉巻の箱、パイプなどの並んだ中に斜めに札《ふだ》が一枚懸っている。この札に書いてあるのは、――「煙草の煙は天国の門です。」徐《おも....
」より 著者:芥川竜之介
》の上へ、その雑誌をばたりと抛《なげ》ると、大事そうに上衣《うわぎ》の隠しから、一枚の写真をとり出した。そうしてそれを眺めながら、蒼白い頬にいつまでも、幸福らし....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
沢《ぜいたく》な暮しをしていました。 「私はこう云っている中にも、向うの銅板画の一枚を見るように、その部屋の有様が歴々《ありあり》と眼の前へ浮んで来ます。大川に....
河童」より 著者:芥川竜之介
んでしまいました。」 「死亡証明書を持っているかね?」 やせた河童は腹の袋から一枚の紙をとり出しました。巡査はその紙へ目を通すと、急ににやにや笑いながら、相手....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
年《ことし》の春、楓《かえで》と二世《にせ》の約束をした起請文《きしょうもん》の一枚であった。 三 寛文《かんぶん》十年の夏、甚太夫《じん....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
ひとつき》ばかり滞在《たいざい》しています。が、肝腎《かんじん》の「風景」はまだ一枚も仕上《しあ》げません。まず湯にはいったり、講談本を読んだり、狭い町を散歩し....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
れない。――そんな事もふと思われるのだった。 すると字を書いた罫紙《けいし》が一枚、机の下に落ちているのが偶然彼の眼を捉えた。彼は何気《なにげ》なくそれを取り....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
》わで納め給えと言う。」――僕はそこを読みながら、おととい届《とど》いた原稿料の一枚四十銭だったのを思い出した。僕等は二人ともこの七月に大学の英文科を卒業してい....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ね」 「そりゃ勿論御礼をするよ」 亜米利加人は惜しげもなく、三百|弗の小切手を一枚、婆さんの前へ投げてやりました。 「差当りこれだけ取って置くさ。もしお婆さん....
」より 著者:秋田滋
り埋めつくされてはおりませんでした。わたくしは棺の上にかぶっている土をどけ、板を一枚外しました。と、厭なにおい、腐敗したものが発散する悪気がむうッとあがって来て....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
た紙片がうず高く積みあがっているのを見て、暫時は途方に暮れたが、やがてその中から一枚の紙片をとりあげた。 ああ、もしも諸君が生も足悶きがとれなくなってしまった....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
者は永久会員として講演に列する入場券二枚をもらい、十ギニーの者は終身会員で入場券一枚、二ギニーの者は一個年会員というようにし、また幹事九名は無給で、投票によるこ....
寡婦」より 著者:秋田滋
かけていたのです。 九日目の朝のことでした、私が起きますと、扉の下から差込んだ一枚の紙片があるのが目にとまりました。拾いあげて、開いて読みますと、こう書いてあ....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ンド年鑑一冊と、夢と易についての書物一冊があった。この最後の本には大判の洋罫紙が一枚はさんであったが、むやみに走り書きがしてあったり、消してあったりした。いくた....
三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
は、何気なく赤児の帯をほどいて、厩の方へつれて行こうとすると、大きな振袖の中から一枚の紙片が落ちて来ました。 「何んだべい!」と言って、その紙片を亭主の太郎右衛....