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一様
「一様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
せる、広い畳敷の病室だった。そうしてその畳の上には、ざっと二十人近い女の患者が、
一様に鼠《ねずみ》の棒縞の着物を着て雑然と群羊のごとく動いていた。俊助は高い天窓....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
おあみ》をかけた駕籠《かご》で出たのである。駕籠のまわりは水野家の足軽が五十人、
一様に新しい柿の帷子《かたびら》を着、新しい白の股引をはいて、新しい棒をつきなが....
「外科室」より 著者:泉鏡花
じ》様なる漢来れり。渠らは貴族の御者なりし。中なる三人の婦人等《おんなたち》は、
一様に深張りの涼傘《ひがさ》を指し翳《かざ》して、裾捌《すそさば》きの音いとさや....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
てかつ百金を吝《お》しまざるなり。されども今夜|懐《ふところ》にせる百金は、尋常
一様の千万金に直《あたい》するものにして、渠が半身の精血とも謂《い》っつべきなり....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
。それが変って個人の生活様式にまで追い付かねばならぬ。 国家も産業も社会生活の
一様式である。近代に至って、この二つの様式に対する根本的な批判を敢えてする二つの....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
成りしときよりも前に 天がこの両つの上に高く広がりしときよりも古く 全世界はただ
一様の姿を示しぬ、 渾沌と名づくる荒涼なる混乱にてありし。 重きものの中に罪深く....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
交にはなって居なかったが、独りイフヒムは妙に私の注意を聳やかした一人であった。唯
一様の色彩と動作との中にうようよと甲板の掃除をして居る時でも、船艙の板囲いにずら....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
女は、あるいは怒り、あるい罵り、あるいは呆れ、あるいは呪詛った。が、狼狽したのは
一様である。車外には御寮を迎の人数が満ちて、汽車は高崎に留まろうとしたのであるか....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
た。しかもみな帰る時にはまるで違った人のようになっていた。それらの人たちの心には
一様に恐ろしい影が飛びかかって来て、見馴れた古い世界に一つの新しい現象をあたえた....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ものもござりませぬから、色も、蒼くも見えず、白くも見えず、緑の淵にもなりませず、
一様に、真の水色というのでござりましょ。 渡りますと、それから三千年の杉の森、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
へ山道をかけて深々と包んだ朝靄は、高く揚って旭を遮り、低く垂れて水を隠した。色も
一様の東雲に、流の音はただどうどうと、足許に沈んで響く。 お兼は立去りあえず頭....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
て、この玄関前へも練込んで来て、芸妓連は地に並ぶ、雛妓たちに、町の小女が交って、
一様の花笠で、湯の花踊と云うのを演った。屋台のまがきに、藤、菖蒲、牡丹の造り花は....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
て聞いた時、莞爾笑って両方から左右の手でおうように私の天窓を撫でて行った、それは
一様に緋羅紗のずぼんを穿いた二人の騎兵で――聞いた時――莞爾笑って、両方から左右....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
渡った風は、はじめ最も低く地上をすって、雪の上面を撫でてあたかも篩をかけたよう、
一様に平にならして、人の歩行いた路ともなく、夜の色さえ埋み消したが、見る見る垣を....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
路へ下って帰路に就こうとする。峠路で時々炭売の婦たちに出あうことがある。彼女等は
一様に誰も皆山袴を穿き、負子に空俵を結びつけてあったり提灯や菅笠などを吊してあっ....