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「一歩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一歩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
い。勝負事をやらないのも、そのためだ。」 ここまで分析して来た彼の頭は、さらに一歩を進めると同時に、思いもよらない変化を、気分の上に起させた。それはかたくむす....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
ります。ですから、どんな難儀に遇《あ》っても、十字架の御威光を輝かせるためには、一歩も怯《ひる》まずに進んで参りました。これは勿論私一人の、能《よ》くする所では....
河童」より 著者:芥川竜之介
仕事をしている。しかし僕はいらいらするのだ。それはロックの目から見れば、あるいは一歩の差かもしれない。けれども僕には十|哩《マイル》も違うのだ。」 「しかし先生....
沼地」より 著者:芥川竜之介
を挙げて笑った。彼は私が私の不明を恥じるだろうと予測していたのであろう。あるいは一歩進めて、鑑賞上における彼自身の優越を私に印象させようと思っていたのかも知れな....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
はただ母に叱られたのが、癇癪《かんしゃく》に障《さわ》っただけかも知れない。もう一歩|臆測《おくそく》を逞《たくまし》くするのは、善くない事だと云う心もちもある....
路上」より 著者:芥川竜之介
顔で、鉈豆《なたまめ》の煙管《きせる》をすぱすぱやりながら、 「あるいは百尺竿頭一歩《ひゃくせきかんとういっぽ》を進めて、同じく屁を垂れるから、君も彼等と甲乙の....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
治的天才は俳優的天才を伴うらしい。ナポレオンは「荘厳と滑稽との差は僅《わず》かに一歩である」と云った。この言葉は帝王の言葉と云うよりも名優の言葉にふさわしそうで....
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
している事を否定されるより、どのくらい屈辱に価するかわかりません。しかも世間は、一歩を進めて、私の妻の貞操《ていそう》をさえ疑いつつあるのでございます。―― ....
或る女」より 著者:有島武郎
い隠れた弱点を、拇指《ぼし》と食指《しょくし》との間《あいだ》にちゃんと押えて、一歩もひけを取らなかったのも彼女である。葉子の目にはすべての人が、ことに男が底の....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
分つらいところもありましたが、しかしもともとしっかりした、負けぬ気性の方だけに、一歩一歩と首尾よく難局を切り抜けて行きまして、今ではすっかり明るい境涯に達して居....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
慰安を与え、探る者に手懸りを与えつつある。現代とても在来の経典を以て満足し、更に一歩を進めて真理の追窮に当ろうとする、気魄のとぼしき者は多いであろう。それ等に対....
初雪」より 著者:秋田滋
ように寂然している。彼女はいきなりその素足を氷のように冷たい、柔かな粉雪のなかへ一歩踏み込だ。と、傷のように痛く疼く冷感が、心臓のところまで上って来た。けれども....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ぎ娘に結婚を拒まれるということは、彼にとっては、世の中で栄進出世にいたるたしかな一歩だということになります」 用心深い老紳士はこの説明をきいて、三段論法の推理....
親ごころ」より 著者:秋田滋
あてただとよ」 そう聞くと、二人はすぐさま巴里を指して歩きだした。 大都会に一歩あしを踏み入れると、彼等はその広いことと、往来の人の多いことに、しばしは途方....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
防衛力の拡充については、日米間において協議をするということになっておりますから、一歩誤まれば、ここらから私はアメリカの内政干渉がきはしないかという心配をもつもの....