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「一気呵成〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一気呵成の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
自転車日記」より 著者:夏目漱石
乗るなり、乗らざるにあらざるなり、ともかくも人間が自転車に附着している也、しかも一気呵成《いっきかせい》に附着しているなり、この意味において乗るべく命ぜられたる....
三四郎」より 著者:夏目漱石
うほど地味にかいてあるという事である。その代り筆がちっとも滞っていない。ほとんど一気呵成《いっきかせい》に仕上げた趣がある。絵の具の下に鉛筆の輪郭が明らかに透い....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
尺を得れば尺、寸を獲れば寸と云う信玄流の月日を送る田園の人も、夏ばかりは謙信流の一気呵成を作物の上に味わうことが出来る。生憎草も夏は育つが、さりとて草ならぬもの....
数学と語学」より 著者:寺田寅彦
ものにしてしまわなければ実際の計算は困難である。 それで語学も数学もその修得は一気呵成にはできない。平たくいえば、飽きずに急がずに長く時間をかける事が、少なく....
自画像」より 著者:寺田寅彦
原理の認められた世の中であるのに。 横顔はとにかく中止として今度はスケッチ板へ一気呵成に正面像をやってみる事にした。二十日間苦しんだあとだから少し気を変えてみ....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
由主義という哲学的理論となるという保証は、一体どこにあるのだろうか。情緒が体系へ一気呵成に移り行くかも知れないという人間的危険について、最も慎重である習慣を持っ....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
くるつもりであったが、書と絵とを同時につくるのはどうも気分がそぐわない、書の方は一気呵成にやれるけれども絵の方は相当の構図を組み立てた上でないとやれない、と云っ....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
けじ根性がむらむらと起ったので、 「さす竹の君とつくりし雪達磨」 と上ノ句だけ一気呵成に言ったが、後が出なかった。 「いいぞその調子だ」と仁田さんは景気をつけ....
三人の師」より 著者:上村松園
ちの唐紙を数枚かさねて置いてある。 先生はそこへ坐られると、上の一枚に下部から一気呵成に岩や木や水や雲といったものをどんどんと描いていかれる。 水を刷いたり....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
乗かって、最大速力で走りながら、時々クロロホルムの御馳走を召上っている間に、私は一気呵成に目的物を得る方法を考えました。いいえ、拷問なんぞの必要もありません……....
健康と仕事」より 著者:上村松園
う呟いたがその時はからずあの公主の髪の形を見出したのであった。それにヒントを得て一気呵成にあの梅花粧の故事が出来上った訳であるが、これも美の神のご示現であろうと....
曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
来るべき友達も来尽してしまった肩脱けから、やがて版元に重ねての催促を受けぬうち、一気呵成に脱稿してしまおうと、七草|粥《がゆ》を祝うとそのまゝ、壁に「菊軒」の額....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
が気に入らなかった乎、あるいは羽織の胴裏というのが癪に触った乎して、例の泥絵具で一気呵成に地獄変相の図を描いた。頗る見事な出来だったので楢屋の主人も大に喜んで、....
申訳」より 著者:永井荷風
ては書くのが一番の捷径《しょうけい》であろう。恥も糞もあるものかと思いさだめて、一気呵成に事件の顛末を、まずここまで書いて見たから、一寸一服、筆休めに字数と紙数....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
た。そしてこの昂奮を以てして、爾後僅々一ヶ月の間に、この研究のイロハから始めて、一気呵成にかの「法隆寺の罹災を立証して一部芸術史家の研究方法を疑ふ」と題する、二....