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「一泊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一泊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
ざいやせん。 何しろ、まあ、御緩《ごゆる》りなすって、いずれ今晩は手前どもへ御一泊下さいましょうで。」 と膝をすっと手先で撫《な》でて、取澄《とりす》ました....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
麦二|膳)には不思議な縁がありましたよ……」 と、境が話した。 昨夜は松本で一泊した。御存じの通り、この線の汽車は塩尻から分岐点で、東京から上松へ行くものが....
薬草取」より 著者:泉鏡花
を渡ったには全く渡ったですよ。 山路は一日がかりと覚悟をして、今度来るには麓で一泊したですが、昨日丁度前の時と同一時刻、正午頃です。岩も水も真白な日当の中を、....
栃の実」より 著者:泉鏡花
れのために、全く道の塞った事は、もう金沢を立つ時から分っていた。 前夜、福井に一泊して、その朝六つ橋、麻生津を、まだ山かつらに月影を結ぶ頃、霧の中を俥で過ぎて....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
一筋の道は、湖の只中を霞の渡るように思われた。 汽車に乗って、がたがた来て、一泊|幾干の浦島に取って見よ、この姫君さえ僭越である。 「ほんとうに太郎と言いま....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
唯今のその茄子の鳴くぐらいな処で、御容赦が願いたい。 どこと云って三界宿なし、一泊御報謝に預る気で参ったわけで。なかなか家つきの幽霊、祟、物怪を済度しようなど....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
ても、一人抜けてもお座敷が寂しくなるもの。 可いわ、旅の恥は掻棄てを反対なが、一泊りのお客さんの前、私が三味線を掻廻そう。お三重さん、立つのは何? 有るものか....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
れよ。老となく、少となく、皆直ちに首肯して、その道筋を教え申さむ。すなわち行きて一泊して、就褥の後に御注意あれ。 間広き旅店の客少なく、夜半の鐘声|森として、....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
かりではない、それが篠田とは浅からぬ関係があるように思われまする、小宮山はどの道一泊するものを、乾燥無味な旅籠屋に寝るよりは、多少|色艶っぽいその柏屋へと極めた....
黒百合」より 著者:泉鏡花
誰も知らず、諸国漫遊の途次、一昨年の秋、この富山に来て、旅籠町の青柳という旅店に一泊した。その夜賊のためにのこらず金子を奪われて、明る日の宿料もない始末。七日十....
星女郎」より 著者:泉鏡花
暗くなるでござろう。――急ぎの旅ではなかろうで、手前お守りをいたす、麓の御堂で御一泊のように願います。無事にお越しの御様子も伺いたい。留守には誰も居らず、戸棚に....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
という。式台まで見舞うのもかえって人騒せ、主人に取次もしようなら、遠来の客、ただ一泊だけもと気あつかいをされようと、遠慮して、道案内を返し、一人、しょぼしょぼ、....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
、去月二十五日早朝東京を発し、その夕甲州北都留郡上野原村に着して、その夜はここに一泊し、あらかじめ期しおきたるごとく、中村藤太郎氏と相会せり。翌二十六日は、早朝....
西航日録」より 著者:井上円了
の地勢なり。カルカッタ着後、哲学館出身者大宮孝潤氏をその寓居にたずね、当夕ここに一泊す。氏は久しくインドにありて、多年サンスクリットを研習し、黽勉怠らず、昨今大....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
ありという。当夜十一時半、ホンコンに着す。ときに雨はなはだしく至る。ゆえに船中に一泊す。 十三日、曇り。ときどき驟雨一過、わが梅雨の時のごとし。午前七時、小舟....