一流れ[語句情報] »
一流れ
「一流れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一流れの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
翁はいまにもそれを恐れるように大事そうに螺の如き自分の腹を撫でた。 夕風が
一流れ亙った。新しい稲の香がする。祭の神楽の音は今|将《まさ》に劉喨《りゅうりょ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
りはすでに取り払われて正月も早《は》や十日となったが、うららかな春日《はるび》は
一流れの雲も見えぬ深き空より四海天下を一度に照らして、十坪に足らぬ庭の面《おも》....
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
いて前足を高くあげて人込の中にそれようとするのが見えた。将軍の馬車の上に紫の旗が
一流れ颯《さっ》となびくのが見えた。新橋へ曲る角の三階の宿屋の窓から藤鼠《ふじね....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ほこさき》ヶ岳《たけ》と白馬《しらま》ヶ岳《たけ》との間に、やや赤味を帯びた雲が
一流れ、切れてはつづき、つづいては切れて、ほかの大空はいっぱいに金砂子《きんすな....
「死者の書」より 著者:折口信夫
りまする。じゃが、大織冠さまの代どころでは、ありは致しませぬ。淡海公の時も、まだ
一流れのお家でおざりました。併し其頃やはり、藤原は、中臣と二つの筋に岐れました。....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
たのである。 と見て取って翻然と、要介は無手で躍りかかった。 剣光! 斜に
一流れした。 陣十郎の横なぐりだ。 が、何の要介が、切られてなろうか飛び違っ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
いう悲鳴が起こって、小次郎の姿が地へ倒れたが、同時に刀光が地上五寸の、空間を横へ
一流れした。
しかし小次郎は切られたのではなくて、兵馬が切ってかかった時....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
四五人も置いて豪勢にやっているという話が、村へひろまってしまったのだった。そして
一流れ者の小忰であるAは、ここ数年の間、大泥棒、大親分として、ひそかに村人の、伝....