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一点一画
「一点一画〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一点一画の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「石狩川」より 著者:本庄陸男
。
「これでござる」と彼は云った。
「ふーん」と大主典はうなってそれを見つめた。
一点一画にそこの状態を空想している風であった。太く呼吸を入れ頬杖《ほおづえ》をつ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
その「赦し」というのは悪に対してむとんちゃくなインダルゼンスとは全く異なり、悪の
一点一画をも見遁さず認めて後に、そのいまわしき悪をも赦すのである。「七度を七十倍....
「『土』に就て」より 著者:夏目漱石
ん》の木、蛙《かえる》の声、鳥の音、苟《いやし》くも彼の郷土に存在する自然なら、
一点一画の微に至る迄|悉《ことごと》く其地方の特色を具《そな》えて叙述の筆に上っ....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
。 絵画の形式や組織が単純化され、神経は鋭くなり、画面は狭まって来た以上はその
一点一画は頗る重大な役目をなす事となってしまったのである。空の一抹樹木の一点、背....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を一つの有機体として、広い意味の有機体には違いがないが、精到なる彫刻家が、自分の
一点一画を凝視《ぎょうし》するように、凝視してはそれに鑿《のみ》を加えて、また退....
「書について」より 著者:高村光太郎
せず、大空のようにひろく、のびのびとしていてつつましく、しかもその造型機構の妙は
一点一画の歪みにまで行き届いている。書体に独創が多く、その独創が皆普遍性を持って....
「私はかうして死んだ!」より 著者:平林初之輔
。ただ色々な都合で固有名詞だけは、抹消したり、変改したりしたが、事実そのものには
一点一画も私は修正を加えなかった。 本文で私となっているのは、私にこの原稿を送....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
、検案書を調べてみても、警官の話によって当時の状況を符合してみても、故青年の話と
一点一画の違いもないことを確かめたから、私の警察署訪問の目的は達した。これ以上、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
でいうならば、彼は、草書の武蔵を見て、武蔵の人間を律していたが、きょうの厳粛で、
一点一画もゆるがせにしない、武蔵の楷書の体を見て、自分が敵を量るに、意外なまちが....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
して上手かも知れないが、たとえば同じ達磨像を見ても、吉重の画はずっと低俗である。
一点一画、武蔵のそれとはいわゆる他山の石のものだ。 野田家のことに及んだので思....