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一点張り
「一点張り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一点張りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
琴に当りちらしているのであろう。
「第一馬琴の書くものは、ほんの筆先《ふでさき》
一点張りでげす。まるで腹には、何にもありやせん。あればまず寺子屋の師匠でも言いそ....
「或る女」より 著者:有島武郎
りが行くようにはしたくないで、打ち明けないのだ。どこに行っても知らない知らないで
一点張りに通すがいいぜ。……二度と聞きたいとせがんでみろ、おれはうそほんなしにお....
「放浪」より 著者:織田作之助
、うちは御覧の通り腰掛け店で会席など改った料理はやらず、今のところ季節柄河豚料理
一点張りだが、河豚《てつ》は知ってるのかと訊かれると、順平は、知りまへんとはどう....
「競馬」より 著者:織田作之助
。寺田はどきんとして、なにかニュースでもと問い掛けると、いや僕は番号主義で、一番
一点張りですよ。そう言ったかと思うと、すっとスタンドの方へ出て行った。 その競....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
事が述べられたなら、人並性欲の猛りが激しい白痴の所業として――てっきりそんな常軌
一点張りな筋書でも、捜査官を頷《うなず》かせてしまうことと思われます。しかしそれ....
「世相」より 著者:織田作之助
、百円で売る奴があるかというのを背中で聴きながら、ホテルの向い側へ引き返し、大阪
一点張りに張ってみたが、半時間もたたぬうちに百円が飛んでしまった。 帰りの道は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
へ行って聞きあわせると、下総屋の番頭吉助はなにを調べられても一向に知らぬ存ぜぬの
一点張りで押し通しているのと、かれのふだんの行状が悪くないということが確かめられ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
勝てないものだから、ガリレオの説は犯すべからざる聖書の教えと矛盾するものだという
一点張りで反対した。 ガリレオが公然とコペルニクスの信奉者であるということを告....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
薬をあたえれば、医者のふところは膨らむが、病家の身代は痩せる。医は仁術で、金儲け
一点張りではいけないなどと云う。それが自然に久松にもきこえましたから、いよ/\心....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
味噌のねっとりした汁を食べさす小さな店であるが、汁のほかに飯も酒も出さず、ただ汁
一点張りに商っているややこしい食物屋である。けれどもこの汁は、どじょう、鯨皮、さ....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
沈黙が暫くつづいた。 「先生はそれをどうお考えになっているのでしょう?」 理性
一点張りの先生がそんなことを問題にしないのは判り切っていたが、それでもこの場合、....
「武田麟太郎追悼」より 著者:織田作之助
学校出身という点でもまた私の先輩である。しかも、武田さんは庶民作家として市井事物
一点張りに書いて来た。その点でも私は血縁を感じている。してみれば、文壇でもっとも....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
発して『若造』のやり方を詈りはじめもした。古来の抜きがたい習慣を無視してその法律
一点張りの、呪われたる督促……それが正月早々からなので、ことに彼らをいきり立たせ....
「画道と女性」より 著者:上村松園
も知れない。しかし帝展あたりに出品されている現代風俗の絵に見るような、あんな写実
一点張りという見方描き方でなしに、描くなら古典味を加味したものでやってみたいよう....
「噴水物語」より 著者:岡本かの子
仙女が現われるよう効果を工夫してもいた。しかし夫人は相変らず「仙女が見えない」の
一点張りだった。私はいくら美しく智的詩人型の若夫人でも、あんまり自分の幻想に固執....