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「一犬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一犬の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
わば、「刑するに剣をもってせず、火をもってせず、その他通常の刑に処することなく、一犬、一鶏、一蛇、一猿と共に皮袋の中に縫い込み、この恐るべき牢獄のまま、土地の状....
ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
て、日本じゅうが犬だらけになり昭和八犬伝ぐらいはまたたくひまに完成するのである。一犬は虚をほえなくても残る万犬の中にはうそ八百をほえるようなのもたくさんに交じる....
十二支考」より 著者:南方熊楠
たのであろう。 サウシーの『コンモン・プレイス・ブック』四輯に、コングリーヴの一犬ペンクリッジ寺の修繕一年に竟《わた》り誰も詣でざるに、日曜ごとに独り欠かさず....
丹下左膳」より 著者:林不忘
が駈けだすなんざアいい図でおす」 なかにひとり物識《ものし》りぶったのが、 「一犬《いっけん》虚《きょ》に吠《ほ》えて万犬《ばんけん》実《じつ》を伝うといって....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
たりは森と静かである。誰も咎める者もない。 「寂々タル孤鶯ハ杏園ニ啼キ、寥々タル一犬ハ桃源ニ吠ユ――」 自分はその時劉長卿の詩を何気なく中音に吟じながら奥へ奥....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
だけに仕えるということは、主人の命令でないと動かん、主人が居ないと一人前、イヤ、一犬前には立居振舞いができんということで、主人と合せてようやく一犬前、主人が居て....
迷信解」より 著者:井上円了
する風ありて、ために針よりも小なることが、相伝えて棒のごとく大きくなり、あるいは一犬虚を吠えて万犬実を伝うるに至る場合は、決して珍しからぬことである。あるいは政....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
余程多いらしい犬の吠え合う声なのだ。 いくら沢山でも、犬の声は犬の声に止まる。一犬虚を伝えれば万犬――というくらい、あの仲間の騒ぎは余り当てにはならない。まし....
三国志」より 著者:吉川英治
、にぎやかに帰った。 曹操は、軍令を出して、 一、農家|耕田ヲ荒ス者ハ斬 一、一犬一|鶏タリト盗ム者ハ斬 一、婦女ニ戯ルル者ハ斬 一、酒ニミダレ火ヲ弄ブ者ハ斬....
私本太平記」より 著者:吉川英治
幡宮の東の鳥合ヶ原は、その上覧|桟敷やら御愛育のたくさんな御犬寮もある所なので、一犬の吠えが万犬の吠えをよび、その諸声は、鎌倉の海のとどろも打消して、陰々滅々、....