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一番列車
「一番列車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一番列車の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蛇の死」より 著者:海野十三
運んで行こう。詰まり君とお由さんとの仲を嗅ぎ出されない為にだよ。そして君は、朝の
一番列車で当分何処かへ姿を隠してしまうのだ。それが一番安全だからね。――後三十分....
「山想う心」より 著者:松濤明
星の鈍くまたたく夜、麦田の上を身を切るような風が渡る。外套の襟を深く立てて東京へ行く
一番列車に乗るべく急ぐ田舎道は、霜柱が夜目にも白く、ざくりざくりと足の下に砕ける....
「たずねびと」より 著者:太宰治
ほうへ五里でも六里でも行く汽車があったら、それに乗ろうという事になって、上野駅発
一番列車、夜明けの五時十分発の白河行きに乗り込みました。白河には、すぐ着きました....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
いっしょにつづった。
それからもどっていった。シュルツは時間をくっていた。
「
一番列車に乗ったら、明日の朝は帰って来れるだろう。」
しかしクンツは、もう間に....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
のだった。 荷造りはでき上がっていた。彼らは翌朝、近所の店の戸が開かれる前に、
一番列車に乗ることにしていた、近所の者の好奇心や意地悪い推測を避けるために。――....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
わないでは発《た》てない。」 「向こうで会えるよ。明日君といっしょになれる。彼は
一番列車で発《た》つんだ。さあ早く! 今くわしく言ってきかしてやるよ。」 彼は....
「行雲流水」より 著者:坂口安吾
、男には悟らせずにクビの位置をひッこめた。そして男の顔へ、上から唇を押しあてた。
一番列車がやってきたのは、その時だ。ソノ子は唇をはなして、自分も線路を枕にするフ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
第一日目はウォーミング・アップ。種々の方法を試みて軽く所持金を消費し、翌朝の
一番列車に使いの者を伊東へやって、家の有金を全部とりよせる。第二日目は、第一日目....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ことが分った。時に三月三日、桃の節句の真夜中で、五名の刑事は一夜腕を撫し、四日の
一番列車で伊東を出発して、湯河原の目ざす旅館へついたのが六時半、寝こみを襲って、....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
之介はシャレにならないことを呟きながら、ブリブリしている。 翌朝顔がそろって、
一番列車にのりこむ。花廼屋が虎之介をからかって、 「どうだ。氷川詣での御神託は?....
「暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
たばかりのところであった。 「じゃ仕方がない。――あしたの朝早く朝食をすまして、
一番列車に乗ろう」 ホームズは云った。 「俺たちは出来るだけ早くゆかなければな....
「耳の日記」より 著者:宮城道雄
腰が充分に立たなかった私はわきまえもなく帰りたくなってみんなの止めるのもきかずに
一番列車で立つことになって、朝早く身体を抱えて人力車へのせて貰っていると、弟子の....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
し、月曜の朝まだ暗いうちに「行ってきます」と元気よく出て行く。やがて誠一の乗った
一番列車の上る音が過ぎて、聞こえなくなったとき、私はふっと妻の霊魂が怒っていやし....