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一目散
「一目散〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一目散の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
と、斑犬《ぶちいぬ》の背中をたたいて、云いつけました。
この声に胆をつぶして、
一目散に土蜘蛛は、逃げ出そうとしましたが、もうその時は間に合いません。「噛め」は....
「白」より 著者:芥川竜之介
いけがき》の蔭に犬殺しの姿が隠れるが早いか、可哀《かわい》そうな黒を残したまま、
一目散《いちもくさん》に逃げ出しました。
その途端《とたん》に罠が飛んだのでし....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
》を衝《つ》いて、片手に剣《つるぎ》を提《ひっさ》げながら、静な外の春の月夜へ、
一目散に逃げて行った。
彼は歯を喰いしばったまま、ようやく足を踏み固めた。しか....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
倒れた。倒れながら争った。彼れはとうとう女を取逃がした。はね起きて追いにかかると
一目散に逃げたと思った女は、反対に抱きついて来た。二人は互に情に堪えかねてまた殴....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
は、前後も存ぜず、翼の折れた鳥が、ただ空から落ちるような思いで、森を飛び抜けて、
一目散に、高い石段を駈け下りました。私がその顔の色と、怯えた様子とてはなかったそ....
「妖術」より 著者:泉鏡花
で、もう番傘の懐手、高足駄で悠々と歩行くのがある。……そうかと思うと、今になって
一目散に駆出すのがある。心は種々な処へ、これから奥は、御堂の背後、世間の裏へ入る....
「骸骨館」より 著者:海野十三
りするよ。うわあと泣きだしたり、縄をひっぱることも、壁に名前を書くことも忘れて、
一目散に逃げだすかもしれないよ。おもしろいよ」 「うん、それはおもしろそうだ。僕....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
で行くんやさかい、上官を独りほかして置くわけにも行かん。この人が来なんだら、僕は
一目散に逃げてしもたやも知れんのや。僕はこわごわ起きあがってその跡に付いてたんや....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
とう」一言礼をいうと、彼女は、一旦後へ引きかえし、宙で憶えている近道をとおって、
一目散に裏口へ走った。そして扉をどんどんどんと叩いて、ようやく鬼仏洞の外へ飛び出....
「怪塔王」より 著者:海野十三
砂丘 1 帆村探偵と一彦少年とは、怪塔王にどなりつけられましたので、
一目散に逃げだしました。怪塔からものの五百メートルも走ったところに、砂が風のため....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
とあろう処を、大戸を潜って、迎も待たず、……それ、女中が来ると、祝儀が危い……。
一目散に茶屋まで仲之町を切って駆けこんだろう。お同伴は、と申すと、外套なし。」 ....
「墓」より 著者:秋田滋
、四囲に気をくばりながら戸外へ出た。 すると犬は、ボネエ将軍路のほうを指して、
一目散に駈けて行ったかと思うと、トモアゾン夫人の墓石のそばのところで、ピタリと停....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
う間もなく駈けだせば、この連れから逃げだせるかと思った。しかし、幽霊も彼とともに
一目散にかけだした。それから、彼らは、なにがあろうとかにがあろうとかまわず、突っ....
「米」より 著者:犬田卯
二 次の日も次の日も一家のものは同じように泥上げ、代田の切返し、そして
一目散に田植の準備を進めたが、肝心の肥料がまだ手に入っていなかった。自家製の堆肥....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
がござりましょうか、いかがかと存じまするのみでして、は、はい。」 樹島は、ただ
一目散に停車場へ駈つけて、一いきに東京へ遁げかえる覚悟をして言った。 「御新姐の....