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一眠り
「一眠り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一眠りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
朝に成って反《かえ》って気の緩《ゆる》んだ岸本はいくらかでも寝て行こうとした。
一眠りして眼を覚《さま》すと、その度に彼は巴里が近くなって来たことを感じた。心持....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
、道九郎か、今女中に呼びに遣ったが」余「ハイ叔父さん、御気分は何うですか」叔父「
一眠りした為か大層宜く成った。此の向きなら四五日も経てば平生に復るだろう」成るほ....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
は殆んどすくい上げられているし、アルコールも燃えつくしている、腹もできたのでまず
一眠りと、合羽をぐるぐる身体に巻き付け風の入らないようにして横になった。 ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
斬れる! 斬られないうちに逃げるがいい! 行者殿お行きやれさ! アッハハハ、どれ
一眠り」 肘を敷くとゴロリと寝た。 と丈なす菅草が左右からすぐに蔽いかかった....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
時頃なり直ちに施寧の家に入り母と少しばかり話しせし末例の如く金起と共に二階に上り
一眠りして妾は二時頃一度目を覚したり、見れば金起も目を覚し居て「お紺、今夜は何と....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
なくなった。夜が明けるのを待兼ねて二人はそれ/″\宿所へ引上げた。 石子刑事が
一眠りして正午近く神楽坂署へ出ると、書留速達の分厚の封筒を受取った。それは又して....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
べたが、おそくまで母親に話しかける彼女の声は尽きることを知らないかのよう。半蔵が
一眠りして、目をさますと、ぼそ/\ぼそ/\語り合う女の声がまだ隣から聞こえていた....
「恐竜島」より 著者:海野十三
この船のキャビンへ御案内しましょうか」 玉太郎たちは疲れている。安全なところで
一眠りしたいのが一番ののぞみだ。 「では少し歩きますが、私の洞穴にいらっしゃい。....
「お魚女史」より 著者:坂口安吾
者が泊りこんでいた。私は徹夜で×社の原稿を書きあげたところで、これから酒をのんで
一眠りと、食事の用意ができたら弁吉を起そうと考えていた。その弁吉がキチンと身仕度....
「日月様」より 著者:坂口安吾
が習慣になっていた。 私は翌朝目がさめると、朝食の後、女を帰して、私だけ、もう
一眠り、ねむった。ぐっすり眠った。その前日まで、仕事して、過労があったせいもあっ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
くようになりましたよ。六時ごろでしょうねえ。五時半か六時半ごろ」 「朝湯のあとで
一眠りなさらなかったでしょうか」 「よく御存じですね。朝酒をのんで、ヒルすぎまで....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
。しかるにさっきから、遠くの部屋から、賑やかな、面白そうな話し声が聞こえて来た。
一眠りして、疲労の癒えた拙者、眼が冴えて眠れそうもない。会話の仲間へはいり、暇を....
「地上」より 著者:島田清次郎
はうららかに照って来た。 「わたし眠くなって来ました。小母さん、失礼ですがわたし
一眠りして来ましてよ」と冬子は笑いながら去った。まだ春風楼にとっては真夜中である....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
どどこの村でも、幽霊に元気をつけるものがなにもないのだ。幽霊が墓にはいって、先ず
一眠りして、寝返りをうつか、うたないうちに、まだ生存している友だちは近所を去って....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
は人が多ぜいいかなごを漁る網を曳いて居た。犬が吠え廻った。 船舷に頬杖を突いて
一眠りした蒔蔵は痺れたような疲れもすっかり癒った。やる瀬ない気持ちだけが残った。....