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「一着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一着の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
りも、むしろ実業家らしい風采を備えていた。それがその日のように、流行の茶の背広を一着して、金の指環《ゆびわ》をはめた手を動かしながら、鞄の中の草稿を取り出したり....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
割は、すこぶる貧弱なものに墜《お》ちてしまった。彼ら両人には、完全な耐熱耐圧服の一着すら手に入れることは出来なかった。従って両人は甚だ残念ながら報道の第一線から....
深夜の市長」より 著者:海野十三
て置いて、帰ってきても冷い足をすぐ温められるようにし、次に洋服箪笥を開いて、予て一着分用意してあった古洋服を下して着換えた。そしてこれだけは上等交りけなしという....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
か。それも、綾子夫人の身体と同じ位の大きさだ」 「お嬢様、亡くなった奥様の洋服を一着、借して頂きとう存じます」 と赤星探偵が言いました。 本館からとり寄せた....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
しっかりした推理の足場を組みたてて事件の真相を掴まなければならない。警部はその第一着として、笹木光吉の残して行ってくれた弾丸の飛来方向の計算にとりかかった。 ....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
国共に、早くからその完成を夢みて、狂奔、競争をやってきたのだが、遂にアメリカが第一着となったわけだ。 日本はここでも立ち遅れと、未熟と、敗北とを喫したわけだが....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
紐を解いてみた。 中から、出て来たものは、一体何であったろうか? 2一着の、長い中国服だ! 中から出てきたものは、裾も手も長い、まっ黒な地色の中国....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ばかりでなかった。 長谷部大尉が、水兵から聞いたところによると、機関大尉の服は一着のこらず、ちゃんと私室に揃っているというのである。 それなら機関大尉は、い....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、足はただようのに、向ううつむけに沈んで行く。…… 脊の高い方は、それでも外套一着で、すっぽりと中折帽を被っている。が、寸の短い方は、黒の羽織に袴なし、蓑もな....
」より 著者:池谷信三郎
。しばらく考えていた店員は、何か気がついたらしく、そうそう、と昔なら膝を打って、一着のモーニングをとりだしてきた。じつはこれはこの間やりました世界風俗展で、巴里....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の財産は、シャツ二枚半、襟巻き二本、毛糸の靴下が一、二足、コールテンの古半ズボン一着、銹びたかみそり一|挺、あちこち折りこんだ讃美歌の本一冊、それから、こわれた....
余齢初旅」より 著者:上村松園
、支那人の着ている服はどういうぐあいにつくられているのであろうかと思い、支那服を一着買うつもりになった。支那服や支那織の布地を売っている専門店の売り場に私の気に....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
能で知己なのではない。)どうやらごく小人数の活計には困らないから、旅行をするのに一着|外套を心得ていない事はない。 あの、ぼっと霧雨に包まれた山を背後に、向っ....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
女と怪声との間に密着なる関係あること明らかなり。 よって、予のこの怪事研究の第一着として、かの少女の身上につき精細なる観察を下し、かつ適当なる試験を行わざるべ....
四十年前」より 著者:内田魯庵
鋭の元気で一足飛びに欧米の新文明を極東日本の蓬莱仙洲に出現しようと計画したその第一着手に、先ず欧化劇の本舞台として建設したのが即ち鹿鳴館である。今でこそ樟脳臭い....