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一睡
「一睡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一睡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
ごとく、豪雨は夜を徹して鳴り通した。 少しも眠れなかったごとく思われたけれど、
一睡の夢の間にも、豪雨の音声におびえていたのだから、もとより夢か現かの差別は判ら....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
すから、どうすることも出来ません。夜が明けたら何処からか出て来るだろうと、三人は
一睡も致さずに、夜の白らむのを待って居りましたが、おかみさんの姿はどうしても見え....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
う一度鍵を掛け直して、把手を衣裳戸棚に結び付けました。けれども、そうなると、もう
一睡どころではございませんでした。ところが、朝になって調べても、室内にはこれぞと....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
くどもくりかえして、昨夜《さくや》姉があばれたり泣いたり、叫んだりして、ほとんど
一睡もしなかったことを語り、 「………だから、今疲れ切ってすやすや睡っているんだ....
「恐竜島」より 著者:海野十三
けたが、玉太郎のいうことがわかったらしく、洞穴の中から出ていった。 「さ、僕らは
一睡《ひとねむ》りしよう」 ケンの言葉に一同は、洞穴のぐるりをとりまいている岩....
「火星探険」より 著者:海野十三
取上げた。 ほんとうに、その夜は修理にかかってしまった。二人は油だらけになって
一睡もとらず暁を迎えた。しかしまだ修理はすんでいなかった。フェンダーを直し、イグ....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
、それを、空腹へ三つばかり頬張りました。熱い汁が下腹へ、たらたらと染みた処から、
一睡して目が覚めると、きやきや痛み出して、やがて吐くやら、瀉すやら、尾籠なお話だ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
坑道内の土も、全部集められた。 七人の博士について来た助手たちは、ほとんど
一睡もとらないで、この仕事を続けた。この怪物の頭部の後に、第三の眼らしきものがつ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
。まず南京虫との妥協が何とかつかなければ駄目だ。次には蚊と蚤だ。来た三晩ばかりは
一睡もしなかった。警視庁での二晩と合せて五晩だ。しかし、いくら何だって、そうそう....
「指輪一つ」より 著者:岡本綺堂
はひどく疲労している。なにしろ震災の報知をきいて以来六日ばかりのあいだはほとんど
一睡もしない、食い物も旨くない。東京の大部分が一朝にして灰燼に帰したかと思うと、....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
!」 四 そんなわけですっかりあがってしまい、その晩殆んど
一睡もせずに考え続けてしまった雄太郎君は、けれども翌朝早くから蜂須賀巡査に叩き起....
「鼠」より 著者:岡本綺堂
消さずに置いてください。」 言い知れない恐怖に襲われたお此は、夜の明けるまで、
一睡も出来なかった。七兵衛もそのお相伴で、おちおち眠られなかった。この頃の夜は短....
「健康と仕事」より 著者:上村松園
賞す図で、玄宗と楊貴妃が宮苑で牡丹を見る図を描いたときは、四日三晩のあいだ全くの
一睡もしなかった。若い盛りのことでもあり、絵の方にも油がのりかかっていたころであ....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
で、遺憾ながら安行の捜索は一旦中止して、一同も空しく町へ引揚げて来た。市郎は其夜
一睡も為なかった。 「阿父さんは何うしたろう。」 彼の冴えたる眼には、彼の惨殺....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
に手を合せて頼むのだった。 夫人の家を辞してから、翌日の夜の十時までの間、私は
一睡もする暇がないほど忙しかった。私は夫人の言葉のうちに、あるヒントを掴んだのだ....