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「一私人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一私人の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
好かろうと答えた。すると、大した案内にも及ぶまいと笑いながら相談を掛けた。我々は一私人で、ただ遊覧に来たのだから、公《おおやけ》の職務を帯びている人を使ってはす....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
、なおこれに次いで、国家および法律を擬人して問を設け、国法の重んずべきこと、また一私人の判断をもってこれに違背するは、即ち国家の基礎を覆さんとするものであるとい....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
なものである。 何ゆえに自分がここでこのような、読者にとってはなんの興味もない一私人の経験を長たらしく書き並べたかというと、これだけの前置きが、これから書こう....
石を投ぐるもの」より 著者:宮本百合子
事局と書いた木札を胸にかけて、乗ろうとする粗暴な群集を整理するわけにもゆかない。一私人として立てば、やはり我身をもみくしゃにされ、妻を顧みて「おい大丈夫か」とい....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うていました。 そう思うのも無理はありません、かりそめにも、これだけの工事が、一私人の力でできるはずはないのですから。もし、有力な一私人の力でやるならば、官辺....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
か》わりたくないんだ。著名ということは、不名誉きわまる賤《いや》しいことだ。僕は一私人でありたいし、自分自身と愛する人々とのために生きたいんだ……。」 「それは....
未来のために」より 著者:坂口安吾
彼等の技法は常にその眼が過去に向けられ、未来に向けられることがない。過去とは常に一私人の行為に限定せられるものであるが、それを称して「実人生」という。その実人生....
戦争と気象学」より 著者:寺田寅彦
英の問題が明らかに画かれていたと称せられている。これに反して英国で高層観測事業が一私人ダインスの手から政府に移ったのはずっと後の事であった。また近頃エールシャイ....
智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
十三年十月其処でしずかに瞑目したのである。 彼女の一生は実に単純であり、純粋に一私人的生活に終始し、いささかも社会的意義を有つ生活に触れなかった。わずかに「青....
文化史上より見たる日本の数学」より 著者:三上義夫
江戸に遣わして学ばせたり、またその他にも藩命で江戸の和算家から学んだものもあり、一私人として江戸で学んだものなどもその例は幾らもある。久留米侯有馬頼※は和算家と....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
れまた相当の古書であるとは云え、少くも平安遷都を遡らざる時代のものであり、しかも一私人の簡単なる編著であるが上に、その庚午火災に関する記事は、他の史実がすべて太....
正義」より 著者:浜尾四郎
った。 数日の後、 臥床して誰にもあわなかった衣川柳太郎は親しい藤山検事が、一私人として見まいに来たのをきいて、しいて居間に通した。 わずかの間にいたまし....
大岡越前」より 著者:吉川英治
の子の親として」 「これは、迷惑なおたずね。越前が、親であり、良人であり、家庭の一私人として、気まま気楽にいる間は、赤坂のわが家のほかにはございません。――ここ....