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一稼ぎ
「一稼ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一稼ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いぶん疲れているだろうに、ねえ」
「なあに、足なんざあこっちのもんだ、どれ、もう
一稼ぎ出陣とやらかすかね」
「いけないよ、もうお止しな」
「留めるのかい」
「ま....
「どぶろく幻想」より 著者:豊島与志雄
憂鬱ではなく、千代乃だったのか。 周さんはまた饒舌りだした。 横浜に行って、
一稼ぎするつもりである。それから、中国に一度帰りたい。紹興の近在に、伯父や伯母や....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
つてゐた。 富子の母親にはお金持の旦那があつて金に不自由がないから、娘を芸者に
一稼ぎなどゝいふ考へはなく、然るべき男と結婚させてと大いに高い望みをかけてゐる。....
「死と影」より 著者:坂口安吾
やめる。必要のノミシロ以上は決して仕事をしなかったが、人が困っているのを見ると、
一稼ぎして、人にくれてやることは時々あった。夏冬一枚のボロ服だけしかなかったが、....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
明るくて、邪気のない答えであった。 七 エンゼルは娘をだまして
一稼ぎするには妙を得ていた。終戦後の二三年はそれで食いつないでいたのである。美貌....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
牛太の声《こえ》、赤絹《もみ》に火のついたような女たちのさんざめき、お引けまでに
一稼ぎと自暴《やけ》に三の糸を引っかいて通る新内の流し、そのなかを三人は左右大小....
「山吹」より 著者:泉鏡花
を潜めただからね――橋をこっちへ、はい、あばよと、……ははは、――晩景から、また
一稼ぎ、みっちりと稼げるだが、今日の飲代にさえありつけば、この上の欲はねえ。――....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
―おまえみたいな素人にお客が来るか来ねえか判るもんか。見ろ、まだ九時過ぎだ。あと
一稼ぎしなきゃあ、今日のおまんまに有り付けねえ」 国太郎はそう言ったが、自分の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
で、こんなことをしているわけじゃないけれど、京都落ちを極め込んで、御新開の江戸で
一稼ぎと来る途中、この人が、諏訪で博奕に手を出して、持物から路銀までみんなはたい....
「恋と十手と巾着切」より 著者:山中貞雄
た。 「待てよ」と考える。 T「てっきり彼奴」 と独り言、 T「朝ッぱらから
一稼ぎしてやがるかも知れ無えぞ」 其辺で鉄五郎クルッと踵を反して走り去る。 S....