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「一端〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一端の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
ぞれみずから賞罰《しょうばつ》を与えた。これは治修の事を処する面目《めんもく》の一端を語っているから、大略を下《しも》に抜き書して見よう。 「ある時|石川郡《い....
或る女」より 著者:有島武郎
うろく》から受け取ったまま投げ捨てて置いた古藤の手紙を取り上げて、白い西洋封筒の一端を美しい指の爪《つめ》で丹念《たんねん》に細く破り取って、手筋は立派ながらま....
或る女」より 著者:有島武郎
と》の情と憤怒とにおそろしい形相《ぎょうそう》になって、歯がみをしながら、写真の一端をくわえて、「いゝ……」といいながら、総身《そうしん》の力をこめてまっ二つに....
婦系図」より 著者:泉鏡花
根も無い事を疑うような酒井だと思っているか。お前がその盲目だから悪い事を働いて、一端己の目を盗んだ気で洒亜々々としているんだ。 先刻どうした、牛込見附でどうし....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
りつづける船足は、舵のために右なり左なりに向け直される。同時に浮標の付いた配縄の一端が氷のような波の中にざぶんざぶんと投げこまれる。二十五町から三十町に余る長さ....
星あかり」より 著者:泉鏡花
、瞬間の後も、咄嗟のさきも、正に然なすべく働いて居るのであるが、自分は余り大陸の一端が浪のために喰欠かれることの疾いのを、心細く感ずるばかりであった。 妙長寺....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
いほど覚えている。が、名を知られ、売れッこになってからは、気振りにも出さず、事の一端に触れるのをさえ避けるようになった。苦心談、立志談は、往々にして、その反対の....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
みの木、柿の木など、五六本の樹立あり。沓脱は大戸を明けて、直ぐその通庭なる土間の一端にありて、上り口は拭き込みたる板敷なり。これに続ける六畳は、店と奥との中の間....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
に散策しつ。 小高き丘に上りしほどに、ふと足下に平地ありて広袤一円十町余、その一端には新しき十字架ありて建てるを見たり。 お通は見る眼も浅ましきに、良人は予....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
に見好げなる仕舞家のみぞ並びける。市中の中央の極めて好き土地なりしかど、この町は一端のみ大通りに連りて、一方の口は行留りとなりたれば、往来少なかりき。 朝より....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
相違ないのである。今や製本成り、紀念として之を座右に謹呈するに当たり、この由来の一端を記すこと爾り。 淺野正恭 霊界通信――即ち霊媒の口を通じ或は手を通じて霊....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
伝えようと思うて研究した訳ではないが、お望みとあらばとにかく漫然であるが、見聞の一端を思い出づるままにとりとめもなくお話して見よう。 ◇ 古代か....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
く、兼てより幕末外交の顛末を記載せんとして志を果さず、今評論の誤謬を正す為めその一端を語る可しとて、当時の事情を説くこと頗る詳なり。余すなわちその事実に拠り一文....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
高蒔絵の、貴重な仏壇の修復をするのに、家に預ってあったのが火になった。その償いの一端にさえ、あらゆる身上を煙にして、なお足りないくらいで、焼あとには灰らしい灰も....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
理解せざりしこと、また有力なる一原因なり。学者中には既に大戦前これに関する意見の一端を発表せるものあり、デルブリュック氏の如きこれなり。 2 日露戦争に於ける日....