一筆啓上[語句情報] »
一筆啓上
「一筆啓上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一筆啓上の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑問と空想」より 著者:寺田寅彦
よっては、ほととぎすの声を「テッペンカケタカ」と聞いたり、ほおじろのさえずりを「
一筆啓上仕候」と聞いたりすることが、うっかりは非科学的だと言って笑われないことに....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
に限りて無りし者をと蜘手に思い屈する時、先程の男|来りて再渡す包物、開て見れば、
一筆啓上|仕候未だ御意を得ず候え共お辰様身の上につき御|厚情相掛られし事承り及び....
「山の春」より 著者:高村光太郎
ないほど多い。いちばんふつうに路ばたにいるのは、やはり頬白で、朝くらいうちから「
一筆啓上仕候」とやっている。 スミレ、タンポポ、ツクシ、アザミの類は地面いちめ....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
は、猟師としては、憤れて来ますわね」 「憤れますとも」 「でも、頬白は、普通、『
一筆啓上仕る』と啼くのだそうでございます」 「物の啼き声は、聞きようによって、い....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
どしておきましょう」
ちょっと切って、すぐ糸を繰《く》るように文案が出てきた。
一筆啓上つかまつり候《そうろう》。当方は若松屋惣七と申す貸金取り立て業のものにご....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
ない。殊に頬白などは囀りまでもかえたらしく、何だか一年増しに歌の声が短くなって、
一筆啓上|仕候などとは、聴いてもらえそうもなくなった。現在残っている幾つかの鳥の....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
句としては新らしかった。『物類称呼』は安永年間の書物であるが、あの中には関東で「
一筆啓上せしめ候」、遠江国においては ツントイツツブニシュマケタ というとある。....