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「一筆書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一筆書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
こう」 「だって明朝困りますわ。わたしが留守だと妹たちが学校に行けないもの」 「一筆書いて学校なんざあ休んで留守をしろといってやれい」 葉子はもちろんちょっと....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
惑此上なし。依って右用件済み次第当方より出頭仕るべく候間左様御承知下され度候。尚一筆書き加え候が、多分は聖書の件と存じ候が、あれは尾島書記より貰い受けしものにし....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ば、飛騨の方は心配するほどのことはあるまい、なお、田中不二麿からも飛騨有志あてに一筆書き送ってもらうことにしようと語った末に、言った。 「どうです、青山君、君も....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ずしも君に対する志というわけではないが、ところで、もう一つ、いま、拙者がその笠へ一筆書きますから、君はそれをかぶって福井へ着いたならば、その笠をそっくりひとつ、....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
りあげたのである。 「じゃあ、行ってくれるんだな、行ってくれるんだな! すぐに今一筆書いてやるからな」 「わかりませんよ、行くかどうか、まあ途中で決めましょうよ....
郷介法師」より 著者:国枝史郎
います」 「それはそれはいと易いこと、では手形を差し上げましょう」 サラサラと一筆書き記すと、それを乙女へ手渡した。 「それでよろしゅうござるかな?」 「はい....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
に恋の歌とやら、妙だなア、鉄釘の折のようにポツ/\書いたなア、えゝ、なに/\……一筆書きしるし※……アハハヽこれでは丸で附文のようだ」 と丹治が手紙を読みまし....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
ゃいますのね。だけど、ねえヴィクトル、私たちの不安をなだめるために、あなたの手で一筆書いてよこしてくださいませんか。長いこと私は、今度の便こそそれが来るだろうと....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
カ的な政治常識を猿マネして、国民の生活水準を高めるという政策をにわかにどの政党も一筆書きこみはじめたが、本心からそれを考え、その理想のための個人や党の総力をつく....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
相応ずるものではありません。 菊乃さんは越後長岡の半玉時代に先生の酒席に侍って一筆書いてもらった。それを十七年間肌身はなさず持っていたが、近年宴席で先生に再会....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
くうなずいて、 「ひッ、そんなことはお安いご用。お茶づけサーラサラでえ。ちょっと一筆書いてやりゃア、間をあけずに舞いおりていらっしゃらア」 「おお、そうか、じゃ....
昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
壁に、黒ペンキの色があざやかである。 水はもう胸まで来た。 「司令官、自分にも一筆書かして下さい。」 柴田少佐は、泳ぎながら、天井へ黒々と刷毛をふるった。 ....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
》を曝《さら》すこと如何にも口惜しく候|儘《まま》、息のあるうちに月の光を頼りに一筆書残し申候、右に認《したた》めし條々実証也 長崎|本籠町《もとかごまち》 ....
健康三題」より 著者:岡本かの子
あれほどくどく言ったじゃないか。それにもうよこすなんてこの手紙の初めについお礼を一筆書いては仕舞ったようなものの私はおこるよ。 改めて言うまでもなく、あなたを....
頸の上のアンナ」より 著者:神西清
オンチイッチを首にしないようにと、校長やさもなければ視学官に宛てた手紙を、閣下に一筆書いて貰うことも造作はないという話であった。…… 彼女がこんな事をいちいち....