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一等国
「一等国〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一等国の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「現代日本の開化」より 著者:夏目漱石
れ》の国には富士山があるというような馬鹿は今日はあまり云わないようだが、戦争以後
一等国になったんだという高慢な声は随所に聞くようである。なかなか気楽な見方をすれ....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
」と言い出した。「こんな顔をして、こんなに弱っていては、いくら日露戦争に勝って、
一等国になってもだめですね。もっとも建物を見ても、庭園を見ても、いずれも顔相応の....
「惜別」より 著者:太宰治
て、ここには独自な何かがあると予感したものの、さて、このように堂々と当時の世界の
一等国露西亜を屈伏せしめた事実を目撃しては、何物かがあるくらいでは済まされなくな....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
位置を進めたのは時代の進歩として喜ぶべきであるが、世界の二大戦役を終って一躍して
一等国の仲間入りした日本としては文人の位置は猶お余りに憐れで無かろう乎。例えば左....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
したらははんとでも、思ってもらえばいい。世界中で、発明家と芸術家とを虐待している
一等国というのは、日本だけだ。就中《なかんずく》、大阪など、その為に、何んなに、....
「暮の街」より 著者:宮本百合子
独協定のことについて、書かれるべき感想は更に多くあるのであろうが、お定の記事が、
一等国の大新聞社会欄をあれほどの場面で占め得るということは、その一面に何を暗示し....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
本要素として、有っているということを意味する。日本の資本主義が今日他のどのような
一等国乃至列強と較べても劣ってはいないと考えられるような世界的水準にまで発達して....
「菊人形」より 著者:宮本百合子
子、四つの男の子、よちよち歩きの児に、何がわかっていただろう。 勝ったおかげで
一等国になれる、とよろこんだ日本の民草は、旗行列をし提灯行列をして、秀吉の好んだ....
「もう軍備はいらない」より 著者:坂口安吾
いろいろのことが分らなければならない道理であったろう。 昔は三大強国と自称し、
一等国の中のそのまたAクラスから負けて四等国に落ッこッたと本人は云ってるけれども....
「学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
き完全なる辞書を有せざるは、単に教育の能率を低減する所以なるのみならず、また実に
一等国たる国家の体面に関す。今日純然たる語学上より見て優良なる国語辞書多々あるべ....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
ola に属する。これによってこれを観《み》れば、日本は実にスミレ品種では世界の
一等国といってよい。 スミレ、すなわち Viola mandshurica W....
「図書館協会六十周年に寄せて」より 著者:中井正一
とき、いかにも敗れたる国のみじめな国際的取り扱いの地位を感じさせられたのである。
一等国であったのは、軍艦「大和」と、「人間魚雷」だけであって、文化の組織としては....
「『火星兵団』の作者の言葉」より 著者:海野十三
的に考え、かつしずかにおちついて調べてみますと、わが国一般国民の科学力は、とても
一等国らしいところはなく、三等国以下ではないかと思われる節もあります。私も、実は....
「それから」より 著者:夏目漱石
ない。日本は西洋から借金でもしなければ、到底立ち行《ゆ》かない国だ。それでいて、
一等国を以て任じている。そうして、無理にも
一等国の仲間入をしようとする。だから、....