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「一策〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一策の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
て、熱い息を吐きながら、いよいよ休みなく肉薄した。もうこうなっては、ただ、窮余の一策しか残っていない。そこで、彼は、事によったら、犬が追いあぐんで、どこかに逃げ....
報恩記」より 著者:芥川竜之介
、その事ばかりを考えていました。するとある夜わたしの心に、突然|閃《ひらめ》いた一策があります。「まりや」様! 「まりや」様! この一策を御教え下すったのは、あ....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
いろいろと問い落そうと御かかりになりました。すると鴉の左大弁様は、苦しまぎれの御一策に、 「いや、あれは何も私《わたし》が想《おもい》を懸けているばかりではない....
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
も口と心と違った行動をとらねばならぬ苦しさ、予は僅かに虚偽の淵《ふち》から脱ける一策を思いつき、直江津なる杉野の所へ今日行くという電報を打つ為に外出した。帰って....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
は、眉をピクリと動かして、なにかの決心が彼女についたように見えた。 「おお最後の一策だ?」とアサリ女史は突然叫んだ。 「最後の一策とは?」 「ええ最後の一策です....
地球盗難」より 著者:海野十三
なかった。なにか彼に口を開かせるよい方法はないものであろうか。 そのとき彼は、一策を思いついた。 「ねえ、河村さん。……僕はぜひ、貴方に見せたいものがあるんだ....
海底都市」より 著者:海野十三
ロ族を何とか一度で鎮《しず》まらせる方法はないものであろうかと。 ……と、僕は一策を思いついた。 タイム・マシーン 最後の竿頭《かんとう》に立って思い....
火星兵団」より 著者:海野十三
来たようなものだ。 これには、さすがの課長も困ってしまった。が、ふと思いついた一策! 「蟻田博士。あなたに、おもしろいものをごらんに入れましょう」 博士は、....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
うかして警官に早く来て貰いたいと思っているのに、これでは見込がありません。そこで一策を思いつきました。 「ヤイヤイヤイ」私は黄色い声を出して云いました。「ヤイ警....
獏鸚」より 著者:海野十三
される。――そうだった。彼女はあとで本当に裸に剥かれて調べられたのだ。――そこで一策を案じて、トーキーのフィルムに暗号を喋りこんだのだ。この言葉として完全な暗号....
○○獣」より 著者:海野十三
なかった。といって箱のなかであるから、あまり音をたてては、ローラに知れる。そこで一策をかんがえて、ドン助のはりきった太ももをギューッとつねってやった。 「ああ、....
獄中消息」より 著者:大杉栄
さかに鏡はありません。於是乎、腕を拱いて大ハイ大いに考えたのです。そしてとうとう一策を案出したのです。それは監房の中に黒い渋紙を貼った塵取がありますから、ガラス....
作画について」より 著者:上村松園
にもならなかった時には、思いきってああいう風な、大胆な仕事をするのも、局面打開の一策ともなるのではないでしょうか。あれは今憶い出しても、画中の人物に恐ろしさを感....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
真相を理解させて、日本人はブア人のような未開人でないという事を十分会得させるが第一策だと思う。無論、そんな姑息の方法では根深い誤解を除く事はとても出来ないかも知....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
依頼の手紙を書くことにした。 しかし私には菊本氏の心を動かすほどの文才はない。一策を思いついた私は夜店の古本屋をあさって、五銭で「美文之資料」という豆本を買っ....