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一節
「一節〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一節の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
発見した。それは羅馬《ローマ》の建国者ロミュルスに乳を与えたものは狼であると言う
一節だった。彼は母の乳を知らぬことに爾来《じらい》一層冷淡になった。いや、牛乳に....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
※《ぼうはく》する芸術的感興に遭遇すると、たちまち不安を感じ出した。――水滸伝の
一節が、たまたま彼の気分の上に、予想外の結果を及ぼしたのにも、実はこんな理由があ....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
相図《あいず》である。そこでその生徒は立ち上って、ロビンソン・クルウソオか何かの
一節を、東京の中学生に特有な、気の利《き》いた調子で訳読した。それをまた毛利先生....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
ranger〕 の感を深くした。
アナトオル・フランスの書いたものに、こう云う
一節がある、――時代と場所との制限を離れた美は、どこにもない。自分が、ある芸術の....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
人の音楽にも騒音を感ずる許《ばか》りだった。彼の「日本に於ける三年間」はこう言う
一節を含んでいる。――「我我は坂を登る途中、ナイティンゲエルの声に近い鶯《うぐい....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
ているような手つきで、拍子《ひょうし》をとっているのが見える。ジョオンズは、歌の
一節がきれるたびに、うなずいて「グッド」と言った。が何がグッドなのだが、僕にはわ....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
しながら、もの静かな庫裡《くり》を後ろにして、夏目先生の「草枕《くさまくら》」の
一節を思い出させたのは、今でも歴々と覚えている。それから急な石段を墓の所へ登ると....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
ばかり過《すご》した後《のち》、とうとう訳読を中止させた。その代りに今度は彼自身
一節ずつ読んでは訳し出した。教科書の中の航海は不相変《あいかわらず》退屈を極めて....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
伝記の起源が、馬太伝《またいでん》の第十六章二十八節と馬可伝《まこでん》の第九章
一節とにあると云うベリンググッドの説を挙げて、一先ずペンを止《とど》める事にしようと思う。
(大正六年五月十日)....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
極度に切りつめた抄訳ではあるが、意義だけはほぼ通じることと思う。『永遠の生命』の
一節は、説く所頗る簡潔であるが、生命を『向上』と、『黙想』との二段階に分け、われ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
怖を紛らす為に「罪と罰」を読みはじめた。しかし偶然開いた頁は「カラマゾフ兄弟」の
一節だった。僕は本を間違えたのかと思い、本の表紙へ目を落した。「罪と罰」――本は....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
義を持っている。同時に何人でもリアリストたらざる作家はない。」と云う意味を述べた
一節がある。現代の作家は彼の云う通り大抵この傾向があるのに相違ない。しかし現代の....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ーマの文明の傾向を論じたりしたが、一方では王立協会の前途について心配し、なおその
一節には、 「旅行から受くる利益と愉快とを貴ぶことはもちろんである。しかし本国に....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
。讃美歌をまたはじめようとしたが、からからに乾いた舌が上顎にくっついてしまった。
一節も歌えなかった。この執拗な道連れが不機嫌におし黙っているのは、なにか不可解で....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
本所にはない。叔父もまた大正の末年に食道癌を病んで死んでしまった。本所の印象記の
一節にこういうことを加えるのは或は私事に及び過ぎるのであろう。しかし僕はO君と一....