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「一節切〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一節切の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
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日本楽器の名称」より 著者:寺田寅彦
弦の胡弓にシェルシェンクというのがあるのも妙である。 (尺八) シナの洞簫、昔の一節切、尺八、この三つが関係のある事は確実らしい。足利時代に禅僧が輸入したような....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:条野採菊
今を去る三十年の昔、三|題噺という事|一時の流行物となりしかば、当時圓朝子が或る宴席に於て、國綱の刀、一節切、船人という三題を、例の当意即妙にて一座の喝采を博したるが本話の元素たり。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
るほど」 「ある時、問屋町の北国屋の二階座敷で、二十三夜の晩……客の所望によって一節切《ひとよぎり》の『吉野山』を吹いていますとね、お茶の通いをする小坊主が箱階....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
々《ちょうちょう》とその一本の竹を切って取り、手際よくこしらえ上げたのが一管の、一節切《ひとよぎり》に似たものです。 それを唇に当てて、ひとり微笑《ほほえ》ん....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いで、 「その蘆管というのは、ただの笛ですか」 「蘆《あし》の幹を取って、それを一節切《ひとよぎり》のようにこしらえてみたのです。最初あの子供が、穴を三つだけ明....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
水茶屋から出ていったが、間もなくもどってきて、 「きょうは、一月寺《ぼろんじ》の一節切《ひとよぎり》の会があるので、夕方まで売切れになっているということでござい....
活人形」より 著者:泉鏡花
ふむ、痛いか様を見ろ。と下枝の手を見て、「おや、右の小指をどうかしたな、こいつは一節切ってあらあ。やい、どこへ行って指|切断をして来たんだ。と問いかかるを高田は....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
るだろう」 と云ってると、表はピッタリ障子が閉って居りまするが、障子越に聞える一節切で、只今は流行らんが、其の頃は大層流行致しましたもので、既に日光様のお吹き....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
脇差ひと腰。それでいて、年は若い。そんな地味ではあるが、まだ三十とは思われない。一節切の竹を、井戸端で洗い、文字どおりな裏店の室内へ上がって来ると、床の間はない....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
きから耳心を澄ましていた一角はひとりで呟く。 「あの歌口は宗長流、京都|寄竹派の一節切じゃ、吹き手はさだめし虚無僧であろう」 「まあ。本当に虚無僧さん――」と、....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
何を夢みるのであろうか、寝顔に笑くぼがういている。その耳には、川長の座敷で聞いた一節切、その眼には打出ヶ浜の月の色がみえるのであろう。 このあたりは、みな軒の....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、からりと、鞘にふれて鳴ったものがある。 見ると、尺八、いや、それと同じような一節切の竹と天蓋。――これはまずい、あいにくとここにも誰か湯浴みをしているやつが....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
るこの男へ、胸に秘めている本当の声を、叩きつけてやりたいような気がして、 「――一節切の」 と、喉までその人の名を洩らしかけたが、邪推ぶかい紐の宅助に、これ以....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、抱き止めるものの手を夢中で引ッ掻いた。 だがそれも、どこからか、思いがけない一節切の音が流れてくるとともに、たかぶっていた幼い神経をなだめられて、シーンと深....