一簣[語句情報] » 一簣

「一簣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一簣の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
たれなければやまなかった。その恐ろしさに比例して、九仞《きゅうじん》に失った命を一簣《いっき》に取り留める嬉《うれ》しさはまた特別であった。この死この生に伴う恐....
一夜」より 著者:夏目漱石
で向脛《むこうずね》へ力穴《ちからあな》をあけて見る。「九仞《きゅうじん》の上に一簣《いっき》を加える。加えぬと足らぬ、加えると危《あや》うい。思う人には逢《あ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
けない。こうヤキが廻ったからには、しょせん悪あがきをしてもそれは無駄。千仞の功を一簣《いっき》に欠いたが、明石《あかし》の浜の漁師の子が、五十万両の万和の養子の....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
しなんか切れへくるまで与惣公とばかり思い込んでた。」 「九仭《きゅうじん》の功を一簣《いっき》に虧《か》く。なあ、そのままずらかりゃ怪我あねえのに、凝っては思案....
四十年前」より 著者:内田魯庵
したために不測の洪水を汎濫し、八方からの非難攻撃に包囲されて竟にアタラ九仭の功を一簣に欠くの失敗に終った。が、汎濫した欧化の洪水が文化的に不毛の瘠土に注いで肥饒....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、きさまもまだ依然むかしのままな青侍だったか。浅慮者めがッ。これでまず九仭の功も一簣に欠いてしもうたわ。思えば、きさまの如き無謀|小才なやつを大望の片腕とたのん....