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「一紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
があったので、陳は早速に居士を招じ入れると、妻はその姿をみて俄かに懼れた。居士は一紙の墨符を書いて、空にむかってなげうつと、妻はひと声高く叫んで、屋根|瓦の上に....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
いう文字がありますから、結局二百六十二字となりますが、すでに弘法大師も、 「文は一紙に欠け、行は則ち十四、謂うべし、簡にして要、約にして深し」 といっているよ....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
こされざるを得ざりしなり。 されど大疾よく体質を新たにするにひとしく、わずかに一紙を隔てて死と相見たるの経験は、武男が記憶を別様に新たならしめたり。激戦、及び....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
のみに止《とど》まって、法典立案の事に至っては、几案寂然《きあんせきぜん》、遂に一紙の聘托《へいたく》をも得ずして、その生涯を終ってしまったのである。 ベンサ....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
寺の廃せられた時、境内の無縁の墓が染井共同墓地に遷されたというのは、遷したという一紙の届書が官庁に呈せられたに過ぎぬかも知れない。所詮今になって戴曼公の表石や池....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
人はまだ夢をみているような心持で帰って来て、中丞にその次第を報告し、あわせてかの一紙をみせると、中丞は不思議そうに読んでいたが、たちまちにその顔色が変った。 ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
り。百済河成宮中である人に従者を呼んでくれと頼んだに顔を見知らずと辞す。すなわち一紙を取り従者の顔を画き示すとその人これを尋ね当てた。支那の戴文進金陵に至るに、....
今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
するために漢字制限を行った。戦時中日本全国に日刊新聞社五十四社があって、大体一県一紙主義で統制されていた。そして数年来新聞の共同販売制が実行されていたため各社間....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
限に流るるこの水――こういうものに対して、その恩恵を誰も感謝するものはないのに、一紙半銭の値には涙を流してよろこぶ。 偉大なる徳は忘れられるところに存する――....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
勧進帳の読上げも凜々《りんりん》たる調子を張って、満場をシーンとさせました。 「一紙半銭の奉財のともがらは、この世にては無比の楽《らく》にほこり、当来にては数千....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ていわく、古ギリシアの農書『ゲオポニカ』に百姓がその耕地より鼠を除かんと欲せば、一紙に次のごとく書くべし、ここな鼠にきっと申し渡す、貴様も他の鼠もわれを害しては....
正午の殺人」より 著者:坂口安吾
生の木曾が当日どこへ買いだしにでかけたかそのアリバイの裏づけ調査を行ってる新聞も一紙しか見当らないぜ。それによると、木曾はFから約七|哩のQ駅のマーケットまで洋....
雪の宿り」より 著者:神西清
下されて、四条五条の橋の上にて大|施餓鬼を執行せしめられましたところ、公儀よりは一紙半銭の御喜捨もなく、費えは悉く僧徒衆の肩にかかり、相国寺のみにても二百貫文を....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
くして新聞を街上に売るものあり。これを買う人は、まずその代価を銭箱の中に投入して一紙を持ち去り、だれも盗み去るものなし。料理屋に入りて食事をなすものあり、意に任....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、一大名の瓦解を見ずに落着したのは、まったくその時、侏儒のふところに持ち帰された一紙片の力といえるもので、思えば弦之丞が龍耳老人へ酬いたものは、大きな贈り物であ....