一網打尽[語句情報] »
一網打尽
「一網打尽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一網打尽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たたくうちにあばきあげ、真に疾風迅雷《しっぷうじんらい》の早さをもって一味徒党を
一網打尽にめしとり、八丁堀お組屋敷の同僚たちを胸のすくほど唖然《あぜん》たらしめ....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
んのとがも関係もなさそうなアカの他人の傍聴人達を、グルッと取巻いちまったんです。
一網打尽って形ですよ……いや全く、面喰いましたよ……すると、真ッ先にその傍聴群の....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
前に届出ろと命じて、ほとんど労働者の集合を不可能にした上に、さらに主なる首領等を
一網打尽的に拘禁した。そして警察力のほかに兵力までも動かしてそしてようやくのこと....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
い。撃ったが最後世間へ知れ、有司の疑いを招くだろう。邪教徒の教会はすぐに露見だ。
一網打尽に捕縛されよう。……断じて鉄砲を撃つ筈はない……弓手の方さえ注意したら、....
「わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
躁が捕吏に分らぬ筈はない。彼によつて修道服を受けた数人を始め七百名余りの信徒達が
一網打尽となり、刑場に送られて焼き殺されてしまつたが、次兵衛のみは風であつた。彼....
「二合五勺に関する愛国的考察」より 著者:坂口安吾
ったから、切支丹の復活を許すだんではなかった。何千という浦上部落の信徒が老幼男女
一網打尽となり、多すぎて牢舎の始末もつかぬから、いくつかの藩に分割して牢にこめら....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
すなあ」 「俺はあの時お止めしたものだ。……大坂城代も町奉行も我ら眷族の者どもを
一網打尽に捕らえようとてぐすね引いて待っている由、危険千万でござるゆえ、大坂上陸....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
は、彼奴ら盗賊の集会所だな。いやよいことを嗅ぎ付けた。叔父へ早速知らせてやろう。
一網打尽、根断やしにしてやれ」 スルスルと彼は家蔭を出た。 「いやいや待て待て....
「正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
地の司直の手で、多少の波瀾の後で捕らえられた。 こうして正雪一味の徒はほとんど
一網打尽の体で、一人残らず捕らえられたが、その捕らえ方の迅速なるは洵に電光石火と....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
いうことであった。 勿論東西の町奉行は与力同心に命を含め、この不届きの盗賊共を
一網打尽に捕えようとして様々肺肝を砕くのではあったが、彼等の方が上手と見えいつも....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
うっかり小船を陸へでも着け、もし役人にでも感づかれたら、それからそれと足がつき、
一網打尽に私達は、召し捕られないものでもありません。大事な瀬戸際なのでございます....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
いうのはそのうちにこの私が、腕に撚りをかけて秘密を探って一切合財をあばき立てて、
一網打尽に引っ捕えて、獄門台へかけるという意味なので。ナーニわけはありませんよ。....
「暗夜の格闘」より 著者:小酒井不木
先年来、東京市内の各所を荒らしまわった貴金属盗賊団を俊夫君の探偵力によって見事に
一網打尽にした事件です。 十月のある真夜中のことです。正確に言えば午前二時頃で....
「塵埃は語る」より 著者:小酒井不木
てゆくにちがいないと思ったので、よし、それならば、必ず彼らの住家を見つけ、彼らを
一網打尽にしてやろうと決心しました。 しかし彼らもなかなか狡猾で、僕にその住家....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
に顕われたので、政子の母性愛が実朝をかばった。政子は北条|義時と兄弟力をあわせて
一網打尽に関係者を検挙し、父時政を幽閉し、京にいた朝政は敗死した。その後直接この....