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一纏め
「一纏め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一纏めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
》に、どんな事をいって来ないとも限らない、その時にはこれが役に立つって、わざわざ
一纏めにして、御兄《おあにい》さんに御渡になったんだそうですよ」 「そうかね、己....
「中味と形式」より 著者:夏目漱石
うお考えになりますか。オイケンの云う通りでよいと御思いですか、はたしてこの矛盾が
一纏めになるものとお思いになりますか。また明かに矛盾しているというお考えでありま....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
焼け爛《ただ》れて、眼も鼻もわからず、身には汚い衣服《きもの》を着て、鈴や月琴を
一纏めにして首にかけ、左手には孔《あな》の無い笛を持ち、右手には字の書いてない書....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
翁の自筆の短冊数十葉を蒐集し、同翁の門下生に分与しようとされたものが現在故あって
一纏めにして古賀得四郎氏の手許に預けられている。古賀氏の尽力で、表装されて只圓翁....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
だ。 かの公園に渦のごとく縺るる紅、紫、緑の洋傘の尖端に一本ずつ糸を結び付け、
一纏めにして天空に舞い上らしめたらどうであろう。しばしあっけにとられた後はわれに....
「科学論」より 著者:戸坂潤
科学というものが
一纏めにして、一体どういうものであるかを、この書物は分析するのである。そこで、科....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
反覆しない。
この技術的範疇組織、一般に技術的方法と、この技術的世界観とを、
一纏めに代表するものは、今日弁証法的唯物論と呼ばれている処のものに他ならない。―....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
ストの立場による科学と文学 一 私は、科学(或いは広く学問と云ってもいいが)を
一纏めに夫自体として見れば、どういうものだろうか、という観点から、一つの小さな本....
「序(『伸子』)」より 著者:宮本百合子
て居る。其故、擱筆当時に見てさえも、最初の部分は、旧作の感があった。其後、全体を
一纏めにする為にひどく時間をかけたし、印刷にかかってからも手間どり、今は事実上旧....
「死者の書」より 著者:折口信夫
様な妙な糸の――。此で、切れさえしなければのう。 こうして績ぎ蓄めた藕糸は、皆|
一纏めにして、寺々に納めようと、言うのである。寺には、其々の技女が居て、其糸で、....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
のみ待つらむ人に山里の雪間の草の春を見せばや。これなら分るだろう。雪間の草の春と
一纏めにいって、それを都の人々に見せてやりたい。実に好いじゃないか。どうだね」と....
「歌の口調」より 著者:寺田寅彦
ば、多数の歌人が銘々に口調のいいと思う歌を百首くらいずつも選んで、それらの材料を
一纏めにして統計的に前述の波数や波長の分配を調べてみたら何かしら多少ものになるよ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
頭に残っているものと思われます。 当時の古美術に対しての印象などについては他日
一纏めとして話して置きたいと思いますが、まず、在来、人が評判しておったいろいろな....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
存することをしないけれども、十年前頃までは先輩の手紙の大方保存しておいた。それは
一纏めになって古い行李の中に納められてある。今度漱石氏が亡くなったのに就いて家人....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
間もなくお直りでしょう。』と、ニキタはまた云うてアンドレイ、エヒミチの脱捨た服を
一纏めにして、小腋に抱えたまま、戸を閉てて行く。 『どうでもいい……。』と、アン....