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一言もない
「一言もない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一言もないの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片信」より 著者:有島武郎
の心情の矛盾に対して、平らかなりえない心持ちの動くべきではないかとの氏の詰問には
一言もない。僕は氏が希望するほどにそうした心持ちを動かしてはいなかったようだ。こ....
「星座」より 著者:有島武郎
までそれが見えなかっただけだ、と彼の頭は断定的に答えるのだ。彼はそしてその答えに
一言もないような気がした。
それなら行こう、と柿江が実際自分の体を遊廓の方にふ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
とは何事であるかと、自分は重役方からさんざんに叱られた。そう云われると、まったく
一言もない。それでもきのうのきょうである。殊に余の品とも違って、めったに売れそう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うものは参拝を止めたらよかろうと、彼女はきっぱりと云い切った。 こう云われると
一言もないので、誰も彼もみな黙ってしまった。そうして、日々の祈祷は今までの通りに....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ごもっともです」と、老人はまじめにうなずいた。「まったく我々の不注意と云われても
一言もないわけです。しかし其月の折檻は普通の継子いじめなどのように、打ったり蹴っ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
「いや、しばらく……。御貴殿は手前の笛に御執心か。」 星をさされて、喜兵衛は
一言もない。抜きかけた手を控えて暫く躊躇していると、弥次右衛門はしずかに言った。....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
博士は、車上から、こわい顔をして、私たちを睨みつけた。 そういわれると、私は
一言もない。私は、もう仕方がないと思ったので、こうなったわけを手短かに、博士に報....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
はないか」 川上は部下を励ましたり叱ったりした。これにはさすがの杉田二等水兵も
一言もない。 「川上機関大尉。私が悪うございました。これからは体を大切にいたしま....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
に乗って出たところを確かにみたと言ってください。そうすれば、水沢さんだって、もう
一言もないでしょう。」 僕はいよいよ驚いた。しかしお島さんのような感情一辺の女....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
意で、いやはや、アッハッハッ」 「そそっかしいにも程があるな」 「程があるとも、
一言もない、怪我なかったが幸いじゃ」 「すんでに貴公を斬るところだった。これから....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
そうか、そいつは知らなかった」 「旦那としてはちょっと迂濶だ」 「まさに迂濶だ、
一言もない。それというのもこの事件では、気を腐らせていたからさ。……ひとつ詳しく....
「真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
。」 「馬鹿野郎。狐にでも化かされたな。」と、秋山は叱った。 「そういわれると、
一言もないのですが、まさかにわたくしが……。」 「貴様は酒に酔っていたので、狐に....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
の育ちではなし、そのように気が弱うては……」と、お菊は笑った。 娘に笑われても
一言もない。この母子は町人の胤ではなかった。お菊の父は西国の浪人|鳥越なにがしと....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
、ありあまってでもあるように。催促の術をうらがえしに、敵は搦手へ迫って危い。 「
一言もない。が、勢いだの全盛なぞは、そっちの誤解さ、お見違えだよ。」 「見違えま....
「久保田米斎君の思い出」より 著者:岡本綺堂
しておいた。米斎君は正月になって帰られて、芝居を見るといろいろ間違を指摘された。
一言もないので、二度目にやる時には御指図に従いますから、といって、大正五年に歌舞....