一言半句[語句情報] »
一言半句
「一言半句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一言半句の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
わ》女史の所へは帰った事だけを知らせては置いたが、どっちからも訪問は元よりの事|
一言半句《いちごんはんく》の挨拶《あいさつ》もなかった。責めて来るなり慰めて来る....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
、あの男とは其の後一と言も口を利いていないんだ」 犯人と思われるあの男に、まだ
一言半句の訊問もしてないという帆村の言葉に、私は驚いてしまった。 「じゃ今まで君....
「蠅男」より 著者:海野十三
う一人の人間だけだった。しかもその人間は、事実彼の口からは「蠅男」の秘密をついに
一言半句も誰にも喋りはしなかったのだから、あとは「蠅男」さえ自分で喋らなければ、....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
でさえも、原型を回復することは勿論のこと、この紛乱錯綜した謎の華には、疑義を挾む
一言半句さえ述べる余地はなかったのである。しかし法水は、心中何事か閃いたものがあ....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
怪物につかれた人のようにぶつぶつと口の中でひとりごとをいった。しかし房枝は、その
一言半句も聞きのがさなかった。そして、曾呂利の顔を、穴のあくほど見つめていたが、....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
八時過ぎパリ着。 もう、何もかもが変ったので、一寸、あきれてしまって、一言も、
一言半句も、手紙にもかけなくなってしまった。実に巴里は、何んとも云えないいい都会....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
不朽に伝うべきである。曰く経典は悉く神自身の直接の言葉であるから、これに対して、
一言半句の増減を許さない。若し之に反けば破門あるのみである。曰く経典の翻訳は神慮....
「風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
して、有力者の縁談などで東奔西走しているから、教育という仕事に就ては誰に向っても
一言半句も言うことができないので、私は音楽とソロバンができないから、そういうもの....
「投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
「投手殺人事件」の凡ての鍵は、これまでに残らず出しつくされました。作者は、もはや
一言半句の附言を要しません。 クサイあやしい人間が右往左往して、読者諸君の推理....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、直ちに甚しい障壁にぶつかってしまった。天王会の信徒は、堅く口をつぐんで、誰一人
一言半句の答をなす者もないからである。辛うじて牧田の口からかなり貴重な事実の数々....
「発明小僧」より 著者:海野十三
らん哉、乃ち、商工省特許局発行の広報より抜粋して次に数例を貴覧に供せんとす。夫れ
一言半句も疎かにすることなく、含味熟読あらむことを。 パチンコの発明 昭和二....
「二十一」より 著者:坂口安吾
った婆さんは、死んだ娘のこと及びそれにからまる占師のこと以外に喋らず、しかも僕が
一言半句口をさしはさむ余地もない大変なお喋りだ。僕の毎晩の訪れに大喜び、娘の生い....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
上も、われらの望みも、大方は判ったであろうが……。」 小坂部は息をつめて、その
一言半句を聞き洩らすまいと耳を傾けながら、片手は胸に忍ばせた懐剣の柄を固く握りし....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
、打ち擲いても飽かぬ奴と、怒って怒ってどうにもすべきを、可愛きものにおもえばこそ
一言半句の厭味も云わず、ただただ自然の成行きに任せおきしを忘れしか、上人様のお諭....
「洗いづくりの美味さ」より 著者:北大路魯山人
に、段違いの美味さをもつことは、夙に天下の等しく認めるところで、関東魚はこの点、
一言半句なく関西魚の前に頭を下げずにはいられない。しかし、例外の逸品にかかっては....