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「一計〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一計の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二十世紀旗手」より 著者:太宰治
なたの淋しさ思って三時間ほど、ひとりで蚊帳《かや》の中で泣いたものだ。一策なし、一計なし、純粋に、君のくるしみに、涙ながした。一銭の報酬いらぬ。その晩、あなたに....
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
んよと断然申します。さすがの御亭主もこれには辟易《へきえき》致しましたが、ついに一計を案じて、朋友《ほうゆう》の細君に、こういう飾りいっさいの品々を所持している....
振動魔」より 著者:海野十三
前に、左手を、振動を僅かの範囲に変えることの出来る装置の把手に懸けた。これは、万一計算が多少の間違いをもっていたときにも、この把手をまわすことによって振動数を変....
三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
やっている三角太郎氏は、今朝あたりもう大阪で捕まっている筈の、同類の『支部長』と一計を案じ出して、運賃詐欺をしはじめたのだ。つまり、時々大量に送る荷物を、毎日少....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
もなく、剖見の発表が取り違えられていたという通知がまいりました。そこで、算哲様は一計を案じて、四人の名を『グスタフス・アドルフス伝』の中から採ったのでございます....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
も、何分東京市内の番地だから少し頭を使えば直ぐ判じられて終う。さあ困った。そこで一計を案じて、いかにも吸取紙に残った所らしくて、恰で違った所を考え出して、本当ら....
丹下左膳」より 著者:林不忘
また、日光御造営に関して、不祥《ふしょう》な出来事を防ぎますために、ここは上様、一計が必要かと存じますが」 「事、権現様の御廟に関してまいります」 愚楽老人も....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
たに、さては盗賊かと思うと後が怖気立って憶するもので、お國も一|時驚いたが、忽ち一計を考え出し、此の胴巻の金子の紛失したるを幸に、之を証拠として、孝助を盗賊に落....
丹下左膳」より 著者:林不忘
嘲笑《わらい》をうけてなろうか――身もこころも羅刹《らせつ》にまかせたお藤は胸に一計あるもののごとく、とっぷりと降りた夜のとばりにまぎれて、ひそかに母屋の縁へ。....
次郎物語」より 著者:下村湖人
かして、恭一が学校に行くのを邪魔してみたいものだと思う。 ある晩、とうとう彼は一計を案じ出した。 翌朝起きるとすぐ、彼は、恭一の学用品を入れた雑嚢を抱えて、....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
川の顔も見て、なぜ客が減つたか法外な値段の秘密、みんな隈なくかぎだした。然し胸に一計があるから、すぐさまこれを打ち開けなかつた。 富子はもうセッパづまつてゐた....
死と影」より 著者:坂口安吾
ほどのヤマサンに懸想されて、私は困却しきっていた。 私はその晩、たまりかねて、一計を案じ、ヤマサンと共に、深夜に車を走らせて、友人を訪ねた。むごいことをしたも....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
交番の奥へつれこみ、フロシキの中をしらべると、案にたがわずカバンではない。しかし一計を案出して、 「あのお客がだね。カバンを君の店で矢くした、君の店まではたしか....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
しまえ、打殺してしまえ。と罵り立てられ、丹治おかめは表へ出る訳にいかない処から、一計を案じ、彼の藁小屋へ火をかけましたが、藁の事ゆえ忽ち燃え移り、屋根裏へ抜けて....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
たいへんな目にあわねばならない、こう考えると手がでない。 ある日、富士男はフト一計を案じた。だがそれはあまりに、とっぴにすぎる計画である、はじめかれは空想だと....