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一議
「一議〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一議の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外科室」より 著者:泉鏡花
まあ見合わすとしたらどうじゃの。あとでゆっくりと謂い聞かすがよかろう」 伯爵は
一議もなく、衆みなこれに同ずるを見て、かの医博士は遮りぬ。 「一時《ひととき》後....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
わ。」 「寄道をするんですか。」 「じゃ……ないけども、これから、この早瀬さんと
一議論して、何でも慈善会へ引張り出すんですから手間が取れてよ。」 とまだ坐りも....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
、あの、私がお前へ参りましょう。どうぞ、その方がお話も承りようございますから。」
一議に及ばず、草鞋を上げて、道を左へ片避けた、足の底へ、草の根が柔に、葉末は脛を....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
、ある時間までは附添って差支えない女弟子の口から、真先に予言者の不思議が漏れた。
一議に及ばぬ。 その夜のうちに、池の島へ足代を組んで、朝は早や法壇が調った。無....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぎをするのに、この荒熊の芸といってはそれよりほかに何物もないから、籠抜けの伊八が
一議に及ばずこれを忌避したのは無理もなく、忌避された当人もそれですましている。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れて、この画像を米友の手から乞い受けて、祀《まつ》りあがめる人が出て来れば米友は
一議に及ばず、その画像を譲り渡したものであろうと思われるが、不幸にしてその人を得....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が、顔にはお高祖頭巾《こそずきん》をかぶったままでの、しとやかな挨拶です。二人は
一議にも及ばず、 「いかなる御用か存ぜねども、まずこれへお通り下さるよう」 火....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
衣裳で、代官松らの背後のあたりに、平めかした姿勢で立っていた。指揮さえ下したなら
一議にも及ばず、斬って入ろうの構えであった。
「こんな奴とは問答は無益だ」このよ....
「泡盛物語」より 著者:佐藤垢石
つき百方尋ね居たる有様に御座候。事業の目論見書は別封にて御送り申上げ置き侯共、御
一議の上、小生に御協力給わる御気持を以って至急御状況煩し度、此段切に願入候。恐縮....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
上へ支き直して、明の後へ胸を引いた。 「もうこっちへお寄越しなさい。」 愛吉は
一議もなく、算盤と一所に額を突出し、お辞儀をして、 「どうぞ願います。」 入違....
「活人形」より 著者:泉鏡花
。当家へ入って来たのも、何かの縁であろうからと、勧むれば、亭主は気の好き男にて、
一議も無く承引なし、「向側の行当の部屋は、窓の外がすぐ墓原なので、お客がございま....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
スに対する関係は、兄におけるほど密接ではなかった。一個の弁護士として、また下院の
一議員として、彼には彼の生活があったのである。それでもやはりエセックス邸とは親密....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
を選挙しようじゃないか。」となる。N老人が最年長者だ、極まった極まったで、これは
一議に及ばず可決、それから誰いうとなくロッペン団なるものが出来あがった。オホツク....
「思想動員論」より 著者:戸坂潤
ける挙国一致一般をその行動の誓約としたことは何を意味するか。それは要するに今七十
一議会に於ても明らかであったように、正常な意味での質問をさえ遠慮するという誓約に....
「挙国一致体制と国民生活」より 著者:戸坂潤
のある社会政策・国民生活安定策であったが、国民の理解し難い理由によって、この七十
一議会には遂に提出見合わせとなった。風説によると、この案は恐らく当分提出されない....