一議に及ばず[語句情報] » 一議に及ばず

「一議に及ばず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一議に及ばずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夫人探索」より 著者:夢野久作
女を探して下さい。百万円の全部をあなたに捧げても構いませんから……」 名探偵は一議に及ばず引き受けた。 けれども芳夫青年から、百万円を奪い去ったであろうほど....
石狩川」より 著者:本庄陸男
さ、――間違えるな、日本政府の堀盛とは俺のことだ、と、名乗りましたな、それならば一議に及ばず斬って捨てろ、白刃をふりかぶったので驚いた、――日本政府の堀盛と知っ....
白くれない」より 著者:夢野久作
のまゝなるべしと、言葉をつくして説き勧むるに、われ、香煙の芳香にや酔ひたりけむ。一議に及ばず承引きつ。其夜は其の花畑の下なる怪しき土室にて雲烟、恍惚の境に遊び、....
薬草取」より 著者:泉鏡花
、あの、私がお前へ参りましょう。どうぞ、その方がお話も承りようございますから。」一議に及ばず、草鞋を上げて、道を左へ片避けた、足の底へ、草の根が柔に、葉末は脛を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
にも拘らず、皆の者が弁信にこの部屋をあてがったものです。 あてがわれた弁信は、一議に及ばずその好意を受けてしまったが、遠くて不自由だろうと思いやりながら、ここ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
こいつは堪らねえ」 道庵が突如として、うろたえ声で騒ぎ出しましたから、米友が、一議に及ばず馳《は》せ参じました。 見れば莚の上に眼を醒《さ》ました道庵は、合....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
もうろう》として小舟が浮き捨てられてある。 「それは、いいあんばいだ、渡りに舟」一議に及ばず、二人はその舟を分捕って飛び乗り、この入江と沼とを押切ろうとして、ふ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぎをするのに、この荒熊の芸といってはそれよりほかに何物もないから、籠抜けの伊八が一議に及ばずこれを忌避したのは無理もなく、忌避された当人もそれですましている。 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れて、この画像を米友の手から乞い受けて、祀《まつ》りあがめる人が出て来れば米友は一議に及ばず、その画像を譲り渡したものであろうと思われるが、不幸にしてその人を得....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
一から十まで合わないで、逢えば噛み合いたがっている。お角へ沙汰をすれば、あの女は一議に及ばずここへやって来る。お絹と面《かお》を合わせるようなことにでもなれば、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
それを耳にもかけず、突然また大きな声を上げて、 「友様や、友さんや」 「おーい」一議に及ばず、米友が返事をしました。実はさいぜんからの事のいきさつを、米友は蒲団....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
籠《こも》って、無音底の音を聞く気はないか」 かように申されました時、弁信は、一議に及ばず、これこそ望むところとあって、直ちに翌日の明星をいただいて坊を出で、....
金狼」より 著者:久生十蘭
、二人の夜食に加わった。乾老人の骨董店も、すぐその近くにあったので、迎えにやれば一議に及ばず駆けつけてきた。 葵は、久我と二人きりでいるときも、大勢で卓につい....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
しれない。そしてこの点に関する研究をもって自ら神聖なりとする原則の侵害なりとして一議に及ばず拒否する人でなければ、自然のままでは生ずることのない社会の農業階級と....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
を選挙しようじゃないか。」となる。N老人が最年長者だ、極まった極まったで、これは一議に及ばず可決、それから誰いうとなくロッペン団なるものが出来あがった。オホツク....