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一走り
「一走り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一走りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
郎の心に、こうした激変が起っているのをまったく知らないで、 「さあ! お前さん!
一走り行っておくれ。せっかく、こっちの手に入っているものを遠慮するには、当らない....
「突貫紀行」より 著者:幸田露伴
ながら、三の戸まで何ほどの里程《みちのり》かと問いしに、三里と答えければ、いでや
一走りといきせき立《たっ》て進むに、峠《とうげ》一つありて登ることやや長けれども....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
だ。医者とても馬丁に頼んだ丈ゆえ果して通じて居るか否か覚束ない、ナニ余の足でなら
一走りだ、行って来ようと決心し、分る人に云う様に婆に甚蔵の介抱に就いての注意を与....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
こを向うへ三町ほど行ったところに丘田さんというのがある」 「じゃ爺さん、ちょっと
一走り頼む」 「わしは、どうも……」 番人は尻込みをした。その結果、どうしても....
「青服の男」より 著者:甲賀三郎
るだア」 「そいつは事だゝ。すぐにお医者さア呼ばらなくちゃならねえだ。俺、町まで
一走りして来べい」 「八さア、頼むからそうして下せえ。俺、この辺で待ってるだ。俺....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
上に、まだ転がっていますから、なんならちょっとごらんなすって。私は、すぐ連絡所へ
一走りいってまいります」 そういって、モグラ軍曹は、そのまま匐うようにして、塹....
「物のいわれ」より 著者:楠山正雄
まう。」 といいました。 すると、虎が負けない気になって、 「なんの、おれが
一走り走れば、千|里のやぶも一飛びだ。くやしがっても、おれの足にかなうものはある....
「安達が原」より 著者:楠山正雄
って、 「いやいや、この夜更けにそんな御苦労をかけてはすみません。何ならわたしが
一走り行って取って来ましょう。」 といいますと、おばあさんは手をふって、 「ど....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
かにも疲れているようなようすでした。 「エミイが、もうじき帰ってくるわ。あの子に
一走りいってもらうといい。」と、メグがいいました。 「では、あたしすこし休んで、....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
だした。 「親分にお知らせして……さよう親分にお知らせした方がよろしい。……拙者
一走りして……」と、臆病者の紋太郎は、侵入者が頼母だと知った瞬間、一躍して、乾児....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
うよ。……それはとにかくうっちゃってはおけない、届ける所へ届けずばなるまい。俺は
一走り行って来る」
南条竹之助という若い武士が、こういいすてて走り去った、後に....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
なぞもなるべく爺穢くさせたいものでございますね……あの、お仙やお前さっきの小袖を
一走り届けておいでな、ついでに男物の方の寸法を聞いて来るように」 「は、じゃ行っ....
「城」より 著者:カフカフランツ
平和な生活を送るためではなかったはずだ。
そこで彼は、命令を受けてすぐ宿屋まで
一走りしようとしたように、今度はちがった命令を受けてもすぐ、まず教室を片づけ、女....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
りが立派のことか、弱いばかりが好い男児か、妾の虫には受け取れませぬ、なんなら妾が
一走りのっそりめのところに行って、重々恐れ入りましたと思い切らせて謝罪らせて両手....
「百姓の夢」より 著者:小川未明
から、のろのろ歩く必要はない。いくらでも早く歩いてみせる。三|里や四|里の道は、
一走りに走ってみせる。」と、自分で元気をつけては、早く帰らなければならぬことも忘....