一足飛び[語句情報] »
一足飛び
「一足飛び〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一足飛びの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
よくこれほどあるもんだと思わせた長雨も一カ月ほど降り続いて漸《ようや》く晴れた。
一足飛びに夏が来た。何時《いつ》の間に花が咲いて散ったのか、天気になって見ると林....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
る」と訊《き》けば、 「二里位だ」と答える。有難《ありがた》し有難し、二里位なら
一足飛びだと、くわしく道を聴き、急流に沿うて、或《あるい》は水を渉《わた》り、或....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
きからあの山の頂きに行かんとして、当然経ねばならぬところの路《みち》を踏まずに、
一足飛びに、足を地から離した心である。危い事この上もない。目的を失った心は、その....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
知らせてくれ」 光奴はすぐに二階へ行った。 「お話が長くなりますから、ここらで
一足飛びに種明かしをしてしまいましょう」と、半七老人は云った。 「師匠はそれから....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
んが、あれは、御承知のように、ちょうど七時前後――折柄傭人達の食事時間を狙って、
一足飛びに階段廊まで飛び上ってしまったのです。それに、双方とも長い旌旗を持ってい....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
卓見であると思う。この一節は、特に現世生活を穢土と罵り、途中の階段をヌキにして、
一足飛びに極楽浄土にでも行こうとあせる夢遊病患者に対して、絶好の戒飭である。 ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
すると大きい鼠が一匹窓かけの下からバスの部屋へ斜めに床の上を走って行った。僕は
一足飛びにバスの部屋へ行き、戸をあけて中を探しまわった。が、白いタッブのかげにも....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
い物音で目をさまされた。その物音を調べようとして、同室の男は僕の頭の上の寝台から
一足飛びに飛び降りた。僕は彼が不器用な手つきで扉の掛け金や貫木をさぐっているなと....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
件がありますが、それを一々話していると、どうしても発売禁止の問題に触れますから、
一足飛びに最後の事件に到着させましょう。 わたしは自分の仕事を終って、いよいよ....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
いては降りられない」 「こわくって降りられんのか」 「いや、そうじゃあない。俺は
一足飛びにそこへ飛んで降りるのだが、ちょうど足場の好い所へ二人並んでいやあがる。....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
聞かないことや、自分に全然無関係のことは書かないことにしている。したがって、話は
一足飛びに飛び越してしまうことがあるかも知れない。それは重ねて断わって置く。 ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ィッケンス、サッカレー等の英国小説家が大文豪として紹介され、戯作の低位から小説が
一足飛びに文明に寄与する重大要素、堂々たる学者の使命としても恥かしくない立派な事....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
原敬が野人内閣を組織したよりもヨリ以上世間の眼を※らしたもんで、この新鋭の元気で
一足飛びに欧米の新文明を極東日本の蓬莱仙洲に出現しようと計画したその第一着手に、....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
一昨日……阿母さんから大事の宝物の在所を教わったんだ。それを持出して他に売れば、
一足飛びに大変な金持になれるんだ。俺も能く知らないが、其の宝物というのは実に立派....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
てから十四年になります。夢を懐いて妻となった私、世間知らずの私は楽しい娘時代から
一足飛びに現実の苦悶の世界に入ったのです。結婚後数日にして私は已に後悔していまし....