一躍[語句情報] »
一躍
「一躍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一躍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
来た。それが彼の顔を見ると、突然|厳格《げんかく》に挙手の礼をした。するが早いか
一躍《ひとおど》りに保吉の頭を躍《おど》り越えた。彼は誰もいない空間へちょいと会....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
う》として手綱を操り、競争者に後《おく》れず前《すす》まず、隙《ひま》だにあらば
一躍して乗っ越さんと、睨《にら》み合いつつ推し行くさまは、この道|堪能《かんのう....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
を辷《すべ》りて、水にざんぶと落ち込みたり。 このとき疾《はや》く救護のために
一躍して馳《は》せ来たれる、八田巡査を見るよりも、 「義さん」と呼吸《いき》せわ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
なら、即ち私の顧慮の対象なる外界と私とを絶縁すべき事件が起ったら、私は偽善者から
一躍して正しき意味の罪人になっていたかも知れない。私は自分の罪を真剣に叫び出した....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
術の重要性に関する主張をいささかでも緩和する気持ちはない。むしろそこを通らずして
一躍私の意図する方向に進む方法はないといってもまちがいではない。 しかしいずれ....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
十年間に有ろうと想像したものは一人も無かった。戦争を予期しても日本が大勝利を得て
一躍世界の列強に伍すようになると想像したものは一人も無かった。それを反対にいつか....
「海底都市」より 著者:海野十三
の前へ引いて来て、歓迎の音楽を演奏したり合唱をしたりした。 カビ博士のことは、
一躍《いちやく》有名となった。 世界的考古学者また生物学者として称《たた》えら....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
四五日のうちに、かれ安東仁雄は、烏啼のため心臓を盗まれ而もなお生きている男として
一躍社会の人気者となり、そして彼はかねての放言どおり月尾寒三を見事に押切って今福....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
「よおし、二万ポンドに一万ポンド! どうだ、これなら文句はなかろう」 賞金は
一躍十倍にはねあがった。 「えっ、二万ポンドに一万ポンド! そいつはすばらしい」....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
成である。かの印度思想にかぶれた者は、ややもすれば、途中の大切な階段を無視して、
一躍最後の理想境を求めんとするが、これは百弊ありて一利なしである。何の得る所なき....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
雨には紳士風が全でなくなってスッカリ書生風となってしまった。竹馬の友の万年博士は
一躍専門学務局長という勅任官に跳上って肩で風を切る勢いであったから、公務も忙がし....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
は昔者の両親の目から見れば苦々しくて黙っていられなかった。 尤も『浮雲』に由て
一躍|大家数に入った二葉亭の成功については老親初め周囲のものは皆驚嘆もし満足もし....
「露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
『都の花』に連掲され、暫らくしてから単行本となって出版された。が、露伴の名をして
一躍芸壇の王座を争うまでに重からしめたのは『風流仏』であった。『露団々』は露伴の....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
ンでは、われわれが行く一週間ほど前に、市長選挙が行われて、三十二歳の市の一書記が
一躍市長に選挙された。それで決議機関である市会と市長側とうまく行かない点もあった....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
斤三十二円で非常な利益になったから、同業者のなかでも『安治川の栄吉は切れる!』と
一躍名をあげたものである。 抜けがけの功名もやった。それは大阪港の築港工事に使....