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「一身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
ろう。当時、発表する意志も、発表する機関もなかった自分は、作家と読者と批評家とを一身に兼ねて、それで格別不満にも思わなかった。尤《もっと》も、途中で三代目の「新....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
膝の上に視線を落しながら、 「いえ、質疑ではございません。ございませんが、実は私一身のふり方につきまして、善悪とも先生の御意見を承りたいのでございます。と申しま....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
たい》なくも、天上皇帝の御威徳を蔑《ないがしろ》に致す心得か。この摩利信乃法師が一身は、おのれらの曇った眼には、ただ、墨染の法衣《ころも》のほかに蔽うものもない....
校正後に」より 著者:芥川竜之介
五十歳を期として、さらに大踏歩《だいとうほ》を進められようとしていたから。 ○僕一身から言うと、ほかの人にどんな悪口を言われても先生にほめられれば、それで満足だ....
桃太郎」より 著者:芥川竜之介
出て来る鬼は一晩中踊りを踊っている。一寸法師《いっすんぼうし》の話に出てくる鬼も一身の危険を顧みず、物詣《ものもう》での姫君に見とれていたらしい。なるほど大江山....
少年」より 著者:芥川竜之介
つかんだまま、何度も自働車の天井へ背《せい》の高い頭をぶつけそうになった。しかし一身の安危《あんき》などは上帝《じょうてい》の意志に任せてあるのか、やはり微笑を....
或る女」より 著者:有島武郎
「僕は今度ぐらい不思議な経験をなめた事はない。兄《けい》が去って後の葉子さんの一身に関して、責任を持つ事なんか、僕はしたいと思ってもできはしないが、もし明白に....
或る女」より 著者:有島武郎
は長い航海の始終《しじゅう》を一場の夢のように思いやった。その長旅の間に、自分の一身に起こった大きな変化も自分の事のようではなかった。葉子は何がなしに希望に燃え....
星座」より 著者:有島武郎
れ》の樹を見るごとに、彼はそれによって自分の心を励まそうとした。……科学のために一身を献《ささ》げようとするものに何んという不覚なことだ。昔から学者の生活が世の....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
の傭兵を義勇兵と訳するのは適当でない。ここに言う「義勇」は皇運扶翼のために進んで一身を捧げる真の義勇兵である。 フランス革命後、兵力が激増し殊に準決勝時代であ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
『あなたは何も知らずに居られたでしょうが、実は自分はあなたの守護霊……あなたの一身上の事柄は何も彼も良う存じて居るものなのです。時節が来ぬ為めに、これまで蔭に....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
が流行して、死者続出の有様であったが、モーゼスは敢然として病者の介抱救護に当り、一身にして、牧師と、医者と、埋葬夫とを兼ぬる有様であった。その勇気と忠実と親切と....
佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
大将を崇拝する事を辞せざると同時に、大石内蔵助を撲殺するも顧る所にあらず。佐藤の一身、詩仏と詩魔とを併せ蔵すと云うも可なり。 四、佐藤の詩情は最も世に云う世紀....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
間位の金高である。 ファラデーが助手となって、六個月ばかり経つと、ファラデーの一身上に新生面の開ける事件が起った。それはデビーが欧洲大陸を旅行するという事件で....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
て極力計画したるところ少なからず、そのもっとも力を致したるは勘定奉行在職中にして一身を以て各方面に当り、彼の横須賀造船所の設立のごとき、この人の発意に出でたるも....