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「一軒屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一軒屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と一緒に郡代屋敷へ行くか、どっちでも貴様の好きな方にしろ」 「でも、親分。ここは一軒屋じゃありません。近所にも大勢の人が住んでいます。木の枝が折れていようと、鷹....
海異記」より 著者:泉鏡花
る白帆の外には一重の遮るものもない、太平洋の吹通し、人も知ったる荒磯海。 この一軒屋は、その江見の浜の波打際に、城の壁とも、石垣とも、岸を頼んだ若木の家造り、....
単独行」より 著者:加藤文太郎
温泉帰着一二・三〇 昭和四年の元旦は吹雪で明けた。予想はしていたものの山の中の一軒屋にいて雪に降られるのは淋しい。元気を出して夏沢峠まで行ってみる。道はよくわ....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
なに早くあの香具師が、睡眠から覚めようとは思われないが、併しあの男以外に、こんな一軒屋へ遣って来て、秘密の出入口を閉じる者は、他にあろうとは思われない。ははあ偖....
老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
うぞ」 忍びやかに、そうして重たげな足どりだった。 牛込御門の前通りにやはり一軒屋台の灯が見える。 三つの影は同じように物蔭へ立ち止まって、遠くから客の容....
春昼」より 著者:泉鏡花
と客は言った。 「どうして、貴下、さように悟りの開けました智識ではございません。一軒屋の一人住居心寂しゅうござってな。唯今も御参詣のお姿を、あれからお見受け申し....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
いつこうというものだ。――滅多にあきらめはしない。 これは露西亜の片田舎にある一軒屋で起きた事柄だ。―― ある独身者の農夫が、寝しなに自分の義歯をはずして、....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
でも有ったろうが、今は不幸な家運を語る証拠物のように遺っているに過ぎぬというべき一軒屋の、ほかには母屋を離れて立腐れになりたる破れ厩、屋根の端の斜に地に着きて倒....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いは人の恐怖を出し抜いて、その頭上を通り越してしまったものか、いつまで経っても、一軒屋の表戸をおどろかすものがありません。いったいどうしたのだ。あまりのことに、....
富岡先生」より 著者:国木田独歩
先生は故郷で何を為ていたかというに、親族が世話するというのも拒んで、広い田の中の一軒屋の、五間ばかりあるを、何々|塾と名け、近郷の青年七八名を集めて、漢学の教授....
ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
男が暗い夜道で、怕い怕いお化けと出逢う。無我夢中で逃げて行く。それから灯のついた一軒屋に飛込むと、そこには普通の人間がいる。吻と安心して、彼はさきほど出逢ったお....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ていたせいらしい。 一時世に容れられなかったのだ。というのは田ンボのマンナカの一軒屋という高貴の風俗が異教徒どもに分らなかったからである。彼らは銀座にのんだく....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
そ、可心が、大木の松の幽寂に二本、すっくり立った処で、岐路の左右に迷って、人少な一軒屋で、孫を抱いた六十|余の婆さんに途を聞くと、いきなり奥へ入って、一銭もって....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
、落ちて間もなく、忠別川に入る。川に沿い、数町下りて、松山温泉に投ず。忠別峡中の一軒屋也。ここより旭川までは、一日の行程也。幾度も忠別川を徒渉せざるべからざるが....
オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
たので、私たちは駅長を先頭にたて、途中しじゅうりょうがわに気をくばりながら、その一軒屋にむかった。荒地のところどころに、すかんぼや、いらくさが繁っていた。警部は....