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「一転機〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一転機の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
がえ」一篇を「新小説」誌上に発表した。私はそれを読んで漁史のような人の上にもある一転機の来たことを感じた。「そめちがえ」の砕けた題目が示すように、漁史は最早あの....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
その年の豊作を待ち構え、あるいは杉苗植え付けの相談なぞに余念もなかった。 ある一転機が半蔵の内部にもきざして来た。その年の三月には彼も父となっていた。お民は彼....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
来ると神尾は少し耳――ではない、眼が痛い。勝のおやじの馬鹿め、この辺で、そろそろ一転機を劃し出したな、重大な転向ぶりを示して来たようだ、おれは幾つになっても、そ....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
勿論それに伴って、性的機能が衰滅する事は云う迄もない。で、その症状を自覚したのが一転機となって、その後の事が最後の夢なのだ。胎龍が自分の一つしかない眼を刳り抜い....
次郎物語」より 著者:下村湖人
の自然児ではなかった。複雑な人生に生きて行く技術を意識的に仂かそうとする人間への一転機が、この時はっきりと彼の心にきざしていた。それほど、彼は、彼自身と周囲との....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
父が死んで、自分の代になった。親ゆずりの稼業をつぐ者にとっては、これは最大の一転機である。親が死んだら、ということは物心ついての彼らの最大の仮定なのだから、....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
るものだと真実有難く思い、それがこの原価販売となっただけのことであったが、震災を一転機として店の売上げがたちまち三、四割方の増加となったのには驚かされた。後で耳....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
れの為すところは浅ましいかぎりである。かれはいよいよ慚愧した。 そういうことが一転機となって、鶴見は気を楽にした。それでもなお惰性になった性慾をかれはきっぱり....
次郎物語」より 著者:下村湖人
への門に近づける第一歩だったとも言えるであろう。彼の愛を求むる心の態度は、それを一転機として飛躍的に深まっていった。彼は、それ以来、もう完全に一箇の自然児ではな....
小説集「山吹の花」後記」より 著者:豊島与志雄
を避けている。そのため、いろいろ考えることも多い。或るいは本書が、私の創作傾向の一転機となるかも知れないし、ならないかも知れない。もう少し考えてからのことだ。....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
から、そろそろ日本の従来の仏師の店において外国貿易品的傾向の製作が多くなって行く一転機の時代に這入って来たのでありました。....
罠に掛った人」より 著者:甲賀三郎
借りて終おうか。 五百円あればもう死ななくて好い。玉島を殺すにも及ばぬ。これを一転機として、運が開けて来るかも知れぬ。五百円落すような迂闊な人間は、これが無い....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の伴蔵を呪うところが凄く出来た。 それで張合いが出たのか、あるいはかれの技芸に一転機を劃したのか、その後の菊之助は興行ごとに評判がよくなった。翌二十六年の歌舞....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
て、中世和歌の説明をはじめることとしよう。 和歌、というよりは京都宮廷の文化の一転機が、『拾遺集』から『後拾遺集』の頃にはらまれつつあった。花山・一条の御代か....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
うち大正十四年、普選が成立した。この普選の実施は労働運動を政治運動に発展せしめる一転機をなしたもので、日本労働総同盟は政治運動への方向転換の宣言を行い、私の属す....