一輪挿[語句情報] » 一輪挿

「一輪挿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一輪挿の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
カッフェ》で、食後の林檎《りんご》を剥《む》いていた。彼の前には硝子《ガラス》の一輪挿しに、百合《ゆり》の造花が挿してあった。彼の後では自働ピアノが、しっきりな....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
て廻してくれた。次郎左衛門のうしろの床の間には、細い軸物《じくもの》の下に水仙の一輪挿しが据えてあった。二人は女房や女中の酌で酒を飲んでいた。 そのうちに女房....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
を描《えが》き出す。 机の前に頬杖《ほおづえ》を突いて、色硝子《いろガラス》の一輪挿《いちりんざし》をぱっと蔽《おお》う椿《つばき》の花の奥に、小野さんは、例....
草枕」より 著者:夏目漱石
がして山の樹《き》がことごとく鳴る。思わず顔を見合わす途端《とたん》に、机の上の一輪挿《いちりんざし》に活《い》けた、椿《つばき》がふらふらと揺れる。「地震!」....
明暗」より 著者:夏目漱石
二人してお対《つい》に三越から買って来た唐草《からくさ》模様の染付《そめつけ》の一輪挿《いちりんざし》もそのままであった。 四方を見廻したお延は、従妹《いとこ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
へ行ったのだえ」 お銀様は、お君の坐るべき蒲団の上に坐って机に向いました。その一輪挿しの寒椿を取っておもちゃにしようとした時に、机の上に見慣れないものが載せて....
涙のアリバイ」より 著者:夢野久作
かり……。 ……凝った文具いろいろ……。 ……高雅な卓上電燈、写真立て、豆人形、一輪挿し、灰落しなぞをキチンと並べてある……。 ……一隅の置時計は九時十五分を示....
白椿」より 著者:海若藍平
くらい何でもありませんよ」 と云いながら、ちえ子さんの白椿をパチンと鋏切って、一輪挿しにさして、ちえ子さんの机の上に置いておやりになりました。 ちえ子さんは....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
の息づまるような気分を、たぶんにやわらげているのだった。 帆村は、このやさしい一輪挿の花に、目をつけたのだった。 船長をはじめ、一同も、帆村が顔色をかえて立....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
ましたを、御姉君、乙姫様へ御進物の分でござりました。 侍女一 姫様は、閻浮檀金の一輪挿に、真珠の露でお活け遊ばし、お手許をお離しなさいませぬそうにございます。 ....
」より 著者:森鴎外
をした女中が説明をして置いて下がった。真偽の分からぬ肉筆の浮世絵の軸物を掛けて、一輪挿に山梔の花を活けた床の間を背にして座を占めた末造は、鋭い目であたりを見廻し....
日蔭の街」より 著者:松本泰
んであり、帽子掛には二つの帽子と数本のステッキがある。飾棚の漆塗の小箱、貝細工の一輪挿、部屋の隅に据付けてある洗面台の下の耳のとれた水差、それから二組の洋服と外....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
半になると、急に、電気の燭光が宵の何倍にも明るくなる。そのせいもあろうか、夜半の一輪挿しの寒椿の紅さといったらない。 寒机一輪花 そんな句をおもい出しながら、....