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一辺
「一辺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一辺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
師匠殺しという大事件が出来したんです。さっきからお話し申した通り、岩下左内は武骨
一辺の人物、女房のお常は年が十二三も違う上に江戸向きに出来ている女、そこでお常は....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れている、絵齣の一つ一つが、本板から巧妙な構造で遊離しているので、その周囲には、
一辺を除いて細い空隙が作られ、しかも、空気の波動につれて微かに振動する。それがな....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
言もいうて来ず、むろん姿は見せはりやしまへん。それからもう五年経ちますわ。うちは
一辺引きましたけンど、河育ちはやっぱり河で死ぬちゅうてな、二度の勤めだす。諦めて....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
なるが故に、「信仰」の特殊的な力、――ああ、いけねえ、わからなくなって来た。もう
一辺、兄さんに聞いてみよう。 あすは火曜日。いやだ、いやだ。男子が敷居をまたい....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
翼乱れ、左翼の三艦は列を乱してわが比叡赤城を追わんとし、その援軍水雷艇は隔離して
一辺にあり。しかして定遠鎮遠以下数艦は、わがその背後に回らんとするより、急に舳を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て物にならぬ。物の譬《たと》えがここにござる、金公などを御覧《ごろう》じろ、器用
一辺で、あっちへ遣繰《やりく》り、こっちへ遣繰り、キュウキュウひど工面《くめん》....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
その瞋恚《しんい》というものは……」 弁信は見えぬ眼を上げて、高く、暗黒の空の
一辺をながめ、 「瞋恚というのは、十種|煩悩《ぼんのう》の一つでございまして、ま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
助はのこのこと立って来て、牢の一方の格子の角をゆすると、どうしたものか、その柱の
一辺がガタガタと弛《ゆる》んで、見ていると、そこから人間が楽々と這《は》い出しか....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
て、もう一言もないでしょう。」 僕はいよいよ驚いた。しかしお島さんのような感情
一辺の女としては、それも無理ではないかも知れない。お島さんは確かに水沢さんに思召....
「擬体」より 著者:豊島与志雄
を喜久家に招待して御馳走した。席上、石村一人が主として饒舌った。要旨は、アメリカ
一辺倒に対する非難と、再軍備の主張だった。警察予備隊増員の計画もあるが、あのよう....
「桐生通信」より 著者:坂口安吾
画や、なおそれ以上に白痴の作品に似ているが、現代人の美の好みも美人の好みも白痴美
一辺倒的のオモムキがあるようだ。マリリン・モンローやヘプバーンへの圧倒的な人気な....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
高熱度を有する火の玉、すなわち一団の大|瓦斯塊は、自ら非常なる速度を有して宇宙の
一辺に回転しつつある内、その外側に当ってさらに一大輪を生じたのである」 この時....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
まもったが、一夜はことなく明けた。 諸君が世界地図をひらくと、三角定規の最長の
一辺を左にしておいたような形の大陸が、右下にあるのに気がつくと思うが、これが南ア....
「錦紗」より 著者:犬田卯
まア、それでもなア……どの辺で失くしたんだっぺ。」 お通は母にはかまわず、もう
一辺国道を探して見たが、やはり見付からなかった。すごすごと帰って来ると、母が部落....
「オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
慢なのだった。それはいろんな物をちぢめるだけちぢめたようなもので、厚さ四インチ、
一辺一フートほどの四角のなかに、大抵の実験に要する、ありとあらゆる用具がそろえて....