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「一道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
三十二 するとその印を結んだ手の中《うち》から、俄《にわか》に一道の白気《はっき》が立上《たちのぼ》って、それが隠々と中空《なかぞら》へたなび....
婦系図」より 著者:泉鏡花
するような家庭? へ顔出しをする筈がない。と一度は怪んだが、偶然河野の叔父に、同一道学者|何某の有るのに心付いて、主税は思わず眉を寄せた。 諸家お出入りの媒妁....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
が、それを見ようとして、図らずもその調査項目の前に記されてあった文字が、彼をして一道の光明を認めさせたのであった。それは―― 微罪不検挙(始末書提出) 活動写真....
海底都市」より 著者:海野十三
「五百キロ? たいへんな高速だね。それじゃ目がまわって苦しいだろう」 「いえ、第一道路から第二道路へ、それから第三第四第五という風に、順を追って乗りかえて行きま....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
階段をようやくおりきると、そこはがらんとした地下室になっていた。そしてどこからか一道の光がさしこんでいて、しばらくすると二人の目がやみになれて、室内をどうやら見....
地球要塞」より 著者:海野十三
あったか、それは知らない。とにかく、何時間か何十時間かが経過した後、私は不意に、一道の光明の中に放りだされたのである。――それは、音響として私の耳を撃った。百雷....
怪塔王」より 著者:海野十三
。そしてあたりを見まわしたのでありますが、どうもさっきとは様子がちがっています。一道の光が、眩しくさしこんでいまして、さっきの洞穴とはくらべものにならぬほど明か....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
。 岡引虎松は唖然として其の夜の決闘を屋根の上から眺めつくしたが、漸く探索上に一道の光明を見出した。そして足跡を絶ったくろがね天狗の行方を探し求めて、町の隅々....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
れば、怪我もさせよう、傷もつけよう。さて無い、となると、やっぱり気が済まんのは同一道理。押入も覗け、棚も見ろ、天井も捜せ、根太板をはがせ、となっては、何十人でか....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
ならずや。異様なる持主は、その鼻を真俯向けに、長やかなる顔を薄暗がりの中に据え、一道の臭気を放って、いつか土間に立ってかの杖で土をことことと鳴していた。 「あれ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
ツひでりサ――」 襖も畳も天井も黄昏の色が籠ったのに、座はただ白け返った処へ、一道の火光|颯と葭戸を透いて、やがて台附の洋燈をそれへ、小間使の光は、団扇を手に....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
いたから、到底これらの唯物論だけでは満足出来ないで、終にコントに走って爰に初めて一道の曙光に接する感があった。恐らく二葉亭の思想の根本基礎を作って終生を支配した....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
の天際遠く晴れ、夕日波上に映射し、上下に太陽を見るは実に奇観なり。ときに、水中に一道の光芒を浮かべて、眼眸に映じ来たるところ、その美妙ほとんど言語に絶す。かくし....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
ないと思います。もう生きていることが苦しい。 この頃は死ぬことを考えて、そこに一道の光りを見ます。もう心の苛責に堪えながら生きつづけることが、私には出来なくな....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
の間に西洋覇道主義者を追越すため、この予想せらるる革命的兵器出現の可能性が我らに一道の光明を与えるのである。国策最重点の一つはこの科学的発明とその大成に指向せら....