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一部
「一部〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一部の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
大きい常磐木《ときわぎ》の下にあるベンチ。木々の向うに見えているのは前の池の
一部らしい。少年はそこへ歩み寄り、がっかりしたように腰をかける。それから涙を拭《....
「母」より 著者:芥川竜之介
に壁を塗った、しかも日本風の畳がある、――上海《シャンハイ》特有の旅館の二階が、
一部分はっきり映《うつ》っている。まずつきあたりに空色の壁、それから真新しい何畳....
「春」より 著者:芥川竜之介
」
広子はいつか彼等の話が当面の問題へはいり出した、――と言うよりもむしろその
一部を解決していたのに気がついた。今度の事件を聞かされて以来、彼女の気がかりにな....
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
三
御釈迦様《おしゃかさま》は極楽の蓮池《はすいけ》のふちに立って、この
一部|始終《しじゅう》をじっと見ていらっしゃいましたが、やがて※陀多《かんだた》....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
でないということを表したいと思う。
その翌々日の午後、義捐金《ぎえんきん》の
一部をさいてあがなった、四百余の猿股《さるまた》を罹災民諸君に寄贈することになっ....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
を始として、向うの壁、白塗りの扉《ドア》、壁にかけた音楽会の広告なぞが、舞台面の
一部でも見るように、はっきりと寒く映《うつ》っている。いや、まだそのほかにも、大....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
にこんな事を云った。姉は去年縁づく時、父に分けて貰う筈だった物が、未《いまだ》に
一部は約束だけで、事実上お流れになっているらしい。――そう云う消息《しょうそく》....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
重大に扱わなければ危険である。
又
人生は落丁の多い書物に似ている。
一部を成すとは称し難い。しかし兎《と》に角《かく》
一部を成している。
或....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
―――――――――
修理《しゅり》は、翌日、宇左衛門から、佐渡守の云い渡した
一部始終を聞くと、忽ち顔を曇らせた。が、それぎりで、格別いつものように、とり上《....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
分に云わせると、兄貴らしい気がすればこそである。 この兄貴らしい心もちは、勿論
一部は菊池の学殖が然しめる所にも相違ない。彼のカルテュアは多方面で、しかもそれ/....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
恒藤恭は一高時代の親友なり。寄宿舎も同じ中寮の三番室に一年の間居りし事あり。当時の恒藤もまだ法科にはいらず。
一部の乙組即ち英文科の生徒なりき。 恒藤は朝六時頃起き、午の休みには昼寝をし、....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
の手はワナワナ顫えた、眼はくもってしまった。だが私は彼がその手紙の中で語っている
一部始終を読み返した。私は歔欷いている自分の哀れな心の中に痛い傷痕をかんじて、我....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
。 時に、手紙をやったが、それらのうちには中々名文のがある。翌年七月五日附けの
一部を紹介すると、 「私が私の心を知っている位か、否な、それ以上にも、貴女は私の....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
て博多の街つづきである箱崎になんなんとする地蔵松原――二里余もつづく千代の松原の
一部、ここには米一丸の墓があって、人魂が飛ぶと云われた淋しいあたり、鉄道自殺と云....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
いのである。 両国の鉄橋は震災前と変らないといっても差支えない。ただ鉄の欄干の
一部はみすぼらしい木造に変っていた。この鉄橋の出来たのはまだ僕の小学時代である。....