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一郭
「一郭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一郭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
したことになっていますから、この話の当時の吉原は、いわゆるもと吉原と称されている
一郭です。和泉《いずみ》町、高砂《たかさご》町、住吉《すみよし》町、難波《なんば....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
いと宮戸川べりに沿いながら行くこと七丁――。波も死んだようでしたが、そこの岸辺の
一郭に、目ざした榊原大内記侯のお下屋敷を発見すると、俄然、爪先迄も鏘々《そうそう....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
らな。どうしてまたそんなことがわかるんですかい」 「またお株を始めやがった。この
一郭は大御番組のお直参がいただいている組屋敷町じゃねえか。直参なら旗本かご家人の....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
けた伝六ともども、名人主従を導いていかれたところは、いぶかしいことに屋敷のすみの
一郭のお長屋でした。しかも、そのいちばんはずれの小さな一軒の前へ行くと、 「采女....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の町は、すがすがしい涼風でした。神田の代地は、柳原寄り、籾倉《もみぐら》前の狭い
一郭である。軒ごとに捜しても、百軒とはない。 「あのうちだ、あのうちだ。あのひょ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の焼きつける暑さもなんのそのと、今が人の盛りの奥山の、見せ物小屋が軒を並べたその
一郭です。しかも、ずかずかとはいっていったところは、水芸若衆歌舞伎と大のぼりの見....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
った。 厩舎は南を向いて三棟が三列になっているのであったが、その一番前の東端の
一郭は牧夫たちのための合宿部屋になっていた。正勝の姿を見失った紀久子は他人目《ひ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れてしまったが、江戸時代には緑町、山尻町などに接続して、武家屋敷のあいだに町屋の
一郭をなしていたのである。久保町には高徳寺という浄土宗の寺があって、そこには芝居....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ってくれ」 ボーンと鐘が鳴り出した。すなわち後夜の鐘である。 この夜、城内の
一郭では、尼が燔刑に処せられた。煙に咽せ、焔に焼かれ、命の絶える間際までも、叫び....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
は君の新しい友人のあの顔だ!」 その横町の角を曲ると、古風な立派な家の集まった
一郭があったが、今では大部分はその高い身分からおちぶれて、一階ずつに、また部屋部....
「火の扉」より 著者:岸田国士
い、白壁がぐるつと坪庭を囲み、旧家らしい構えの母屋が奥深いものをつゝんでいるこの
一郭を、彼は、それが池内なにがしという大地主の屋敷であることなどは忘れてしまい、....
「光は影を」より 著者:岸田国士
探し探し、北東へ進んだ。引揚げの日、東京へ着いて、中野から線路伝いに、焼け残つた
一郭の住宅地へ辿りついた時、彼はほとんど無意識に、味岡小萩の家を探し求めていたこ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
は、別荘番の丑松と、護衛の男達が雑居していた。 以上五つの部屋によって、本邸の
一郭は形作られていたが、それら部屋部屋の間には、共通の警鐘が設けられてあって、異....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
来事である。
日数がたってその月が暮れて、翌月の中旬となった時に、本郷の高台の
一郭で、ひとつの変った事件が起こった。というのは女|煙術師が、煙術を使っていたの....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
ように力なく垂れ下がり、それに空の七色が接吻している。(間)海に突き出した高殿の
一郭は岩の上の鷲の巣のように、まことにあやうく見えるけれど、勇ましさも一層で、美....