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「一酌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一酌の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
「妙も近頃は不可くなったよ。奥方と目配をし合って、とかく銚子をこぎって不可ん。第一酌をしないね。学校で、(お酌さん。)と云うそうだ。小児どもの癖に、相応に皮肉な....
風流仏」より 著者:幸田露伴
云い難く、それならば家も狭しおれ丈ケは旅宿に帰るべしといって其晩は夜食の膳の上、一酌の酔に浮れてそゞろあるき、鼻歌に酒の香を吐き、川風寒き千鳥足、乱れてぽんと町....
古狢」より 著者:泉鏡花
、志賀の両氏が旅して、新潟の鍋茶屋などと併び称せらるる、この土地、第一流の割烹で一酌し、場所をかえて、美人に接した。その美人たちが、河上の、うぐい亭へお立寄り遊....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
もみじ山のあたりを俳徊いたし、何とも涙に暮れました。帰りがけに、大門前の蕎麦屋で一酌傾け、思いの外の酔心に、フト思出しましたは、老人一|人の姪がござる。 これ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
く、仏頂寺弥助は当時有数の剣客でありました。 それはさて置き、この二人が今しも一酌を試みて談笑しているところへ、最前二人にオドかされてほうほうの体《てい》でこ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
倫館に出頭して、藩の多くの剣士たちと試合を試みて、また宿へ戻って、風呂を浴びて、一酌を試みているところへ、宿の主人がやって来る。 「いかがでございました、今日の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ころに、このうんきに籠《こも》っていては堪るまい、ちと出て来さっしゃい、ただいま一酌をはじめたところ、相手が無くて困っているのじゃ」 「いま行く」 二階では、....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
(以下、「さん」を失礼する。俳人ではない。人となりは後に言おうと思う。)と炬燵に一酌して相対した。 「――昨年、能登の外浦を、奥へ入ろうと歩行きました時、まだほ....
枯尾花」より 著者:関根黙庵
家|山半楼の内芸者、八重吉と関係を結び、折々遊びに行きしが、或夜鰻を誂え八重吉と一酌中、彼が他の客席へ招かれた後、突然年若き病人らしい、婦人が来て、妾は当楼の娼....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
「ホ、よいにおいがすると思ったら、あれなる磯茶屋で、焼き蛤をひさいでおる。婆よ一酌やろうではないか」 高燈籠の近くにある海辺の葭簀茶屋であった。気のすすまな....
三国志」より 著者:吉川英治
、自慢らしい。そう語って、 「――で、急に君と、その小梅の実を煮て賞翫しながら、一酌くみ交わしたいものと思い出したわけなんだ。まあ来たまえ。梅林を逍遥しながら、....
濞かみ浪人」より 著者:吉川英治
の廿五日。 藩邸の御長屋で、数右衛門並みの同僚ばかりで十四、五名で、持ち寄りで一酌やった。 その時一人が、数右衛門をつかまえて、おれは貴様の友達だからこそ云....
大岡越前」より 著者:吉川英治
れて来ない。 「え。お次さん……。その藪八という奇怪な武家が、石焼豆腐で夕方から一酌やっていたと、自分でいっていたわけだ。思いつきの出まかせにしては、乗っていた....