一重帯[語句情報] »
一重帯
「一重帯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一重帯の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
る髪形に、生え際凉しく高めに結いあげ、柳と燕を大きく散らした藍色の着物に、博多の
一重帯をしめている。細おもての頬の肉附きが薄く、眼には強い視力がこもっていて、理....
「白蛾」より 著者:豊島与志雄
筋乱れぬまでに梳かしつけ、薄鼠色の地に水色の井桁を散らした薄物をきりっとまとい、
一重帯の帯締の翡翠の彫物を正面から少しくずらし、畳表づきの草履を白足袋の先につき....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
来た。二人とも、あいさつ廻りの固くるしい服をぬいで、先生は浴衣に袴、奥さんは絽に
一重帯という手軽ないでたちだった。 白鳥会員は、二三の先輩をも加えて、もう二時....
「日記」より 著者:宮本百合子
かなしむ。同情する。 八月二十一日(月曜) いよいよ猪苗代湖へ行くことにする。
一重帯や何か買おうと思ったので一足先へ車で行くと、お祖母様の車が、牛肉屋のかどで....
「円朝花火」より 著者:正岡容
見ろイ、向こうの船にゃあ、敵役がいらあな」 圓朝はそれを振り払い、豪奢な煙管で
一重帯ほどの水を隔てた向こうの船を指さした。 筋向こうの屋根船には、当時の落語....
「それから」より 著者:夏目漱石
れて、廊下伝いに這入って来た。銘仙の紺絣《こんがすり》に、唐草《からくさ》模様の
一重帯を締めて、この前とはまるで違った服装《なり》をしているので、一目見た代助に....