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一重桜
「一重桜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
一重桜の前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
かれこれ七八年も前にもなろうか。丁度三月の下旬で、もうそろそろ清水《きよみず》の
一重桜《ひとえざくら》が咲きそうな――と云っても、まだ霙《みぞれ》まじりの雨がふ....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
ないのも有る。鳥の音《ね》も時節に連れて哀れに聞える、淋しい……ソラ風が吹通る、
一重桜は戦栗《みぶるい》をして病葉《びょうよう》を震い落し、芝生の上に散布《ちり....
「源氏物語」より 著者:紫式部
咲き誇った盛りの花も涙のような露にぬれているところばかりがお目についた。よそでは
一重桜が散り、八重の盛りが過ぎて樺桜が咲き、藤はそのあとで紫を伸べるのが春の順序....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
に膝を寄せた。寄せたその片褄が、ずるりと前下りに、前刻のままで、小袖幕の綻びから
一重桜が――芝居の花道の路之助のは、ただこれよりも緋が燃えた――誘う風にこぼるる....