一銭蒸汽[語句情報] » 一銭蒸汽

「一銭蒸汽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一銭蒸汽の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
柿の種」より 著者:寺田寅彦
だ生まれていなかったような年ごろの子供らがおおぜい遊んでいる。 清洲橋の近くの一銭蒸汽の待合所を目当てに河岸を歩いていたら意外な所に芭蕉庵旧跡と称する小祠に行....
映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
映画だと思われる。観音の境内や第六区の路地や松屋の屋上や隅田河畔のプロムナードや一銭蒸汽の甲板やそうした背景の前に数人の浅草娘を点出して淡くはかない夢のような情....
道化役」より 著者:豊島与志雄
陽一は意外なところで彼に出会った。島村は大川を上下する小さな客船が好きで、むかし一銭蒸汽と云われていた頃には、わざわざ散歩の途をその船の中まで延したこともあるし....
雪の日」より 著者:永井荷風
川しも、旧米沢町《もとよねざわちょう》の河岸まで通じていた時分である。東京名物の一銭蒸汽の桟橋につらなって、浦安《うらやす》通いの大きな外輪《そとわ》の汽船が、....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
橋の新緑、その紅と金、小林清親の横浜何番館、そうして私たちの「パンの会」、永代の一銭蒸汽と吊橋、小伝馬町は江戸の白い並倉と新しい東京の西洋料理店、椅子に三味線、....
春泥」より 著者:久保田万太郎
そこに突ッ立っているのはむかしながらのけしきだが、そのあと、そこから両国の袂の、一銭蒸汽の発着所のあるところまで、以前はそこに、河の眺めを遮る何ものもなかった。....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
ら引き返して川蒸汽の客になるために横網の浮き桟橋へおりて行った。昔はこの川蒸汽も一銭蒸汽と呼んだものである。今はもう賃銭も一銭ではない。しかし、五銭出しさえすれ....