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「一閃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一閃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
て、こう叫んだ。太郎は、はっと思った。殺すなら、今だという気が、心頭をかすめて、一閃《いっせん》する。彼は思わず、ひざに力を入れながら、太刀《たち》の柄《つか》....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
元の暗黒に還った。 と、思ったのは、それも一瞬間のことだった。 サッと、紫電一閃! どこから出したのか、幅の広い照空灯が、ぶっちがいに、大空の真中で、交叉し....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
。なんと世の中は面白いことよ。 折井刑事が、また一段上にのぼった。するとサッと一閃、懐中電灯が二階の天井を照した。灯は微かに慄えながら、天井を滑り下りると、壁....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
になり、まことにうれしくなつかしく、三十五歳にて逝かれし故坪内信先生の面影がふと一閃、わが目前を過ぎて見ゆるような気がする。地下で先生もにこにこ笑っていられるに....
地球盗難」より 著者:海野十三
うに高い壁に擁せられた正門の鉄扉に何かが当ってガーンと鳴り響いた。と同時にパッと一閃して煌々たる火焔が立ちのぼった。 そのうちにも、また飛行機は引返してきた。....
灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
など、ときどきヘンテコなことになるというのだ。本来この灯台の灯質は、十五秒ごとに一閃光を発する閃白光であるが、こいつがときどきどうした風の吹き廻しか、三十秒ごと....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
だ。僕の手から買ってどうするつもりだ」 思わず見上げる座間の眉宇間には、サッと一閃の殺伐の気がかすめてゆく。殺してやる! マヌエラがあの魔性のものに魅込まれた....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
の奥、黒く流るる処、げに直顕せる飛行機の、一万里の荒海、八千里の曠野の五月闇を、一閃し、掠め去って、飛ぶに似て、似ぬものよ。 ひょう、ひょう。 かあ、か....
時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
中に金の入れ歯をしているのかと思ったが、次の瞬間、彼の脳髄の中に電光の如きものが一閃して、途端に驚天動地的真相を悟った。そこで彼は、きゃっと一声、悲鳴をそこに残....
」より 著者:海野十三
届きそうな近くに、怒濤のように渦を巻きつつ、東へ東へと走ってくる。 ピカリッ!一閃すると見る間に、向うの野末に、太い火柱が立った。落雷だ。 「……どうです、北....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
言葉を街上の勇士に抛げつけた。その途端に黒装束の怪人の大刀が電光のようにピカリと一閃して、――。 「うわーッ。うーむ――」 と、魂切る悲鳴が起った。声の主は権....
」より 著者:池谷信三郎
廻りを、さっきから廻転している探海灯が、長い光りの尾の先で、都会の空を撫でながら一閃するたびに、クララ・ボウの顔がさっと明るく微笑んだが、暗くなるとまた、むっつ....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
仰様に咽喉仏を示したるを、謙三郎はまたたきもせで、ややしばらく瞶めたるが、銃剣|一閃し、暗を切って、 「許せ!」 という声もろとも、咽喉に白刃を刺されしまま、....
発明小僧」より 著者:海野十三
ですよ。やってくるところを、こっちは感電砲をサッと向けるですナ。釦一つ押すと紫電一閃。太い二本の光の柱です。一本は真直に空中を飛び上る。もう一本は敵陣の中につっ....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
。ところが、ちょうど彼らがこの教会の橋まできたとき、ヘッセ人はぱっと飛びあがり、一閃の火焔となって姿をかきけしたのである。 暗闇で話をするときの、あの眠たげな....