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「一面的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

一面的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
職工と微笑」より 著者:松永延造
いのであった。 「君は冷静なのでない、苛酷なのだ。君は自然主義の小説家のように唯一面的に苛酷なのだ。老子のように柔しく広く無関心なのではない。獄吏のように首斬り....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
というと、これだけの前置きが、これから書こうとするきわめて特殊な、そうして狭隘で一面的な文学観を読者の審判の庭に供述する以前にあらかじめ提出しておくべき参考書類....
さるかに合戦と桃太郎」より 著者:寺田寅彦
て説明するにはあまりに広大無辺な意味をもったものである。それをいいかげんなほんの一面的なやぶにらみの注解をつけて片付けてしまうのではせっかくのおとぎ話も全く台無....
新しい抵抗について」より 著者:宮本百合子
進歩という場合、婦人代議士、特殊な芸術家、科学者などの業績をはかることばかりでは一面的です。日本においては、繊維産業に働く女の子の生活と意識の水準がどの辺にある....
イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
を与えているのである**。 * シェーラーによれば現代は正に、此等三種の「精神の一面的な方向」を「平均し」「補欠」すべき時である。処が併し、そのすぐ後で、「総て....
現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
り立つ。元来反省とか自覚とかは、主観の自己省察であり自己意識であるのだが、それが一面的な抽象性を免れて自らを全体性にまで高め、そうやって自らを具体的に反省し意識....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
義を代表するに反してマルクス主義は客観主義を代表すると考え、従っていずれも偏頗で一面的な真理を含んでいるに過ぎないと云っている。之に反して博士自身は主客未分の状....
娯楽論」より 著者:戸坂潤
にならないのである。幸福となるための現実的な入口は、却ってもっと部分的な、もっと一面的な、云わば充分に周縁しない一種不完全な幸福観念にあるのである。もっと制限さ....
哲学入門」より 著者:三木清
とは異っている。ヘーゲルは知識の発展のうちに論理的聯関を認め、一つの時代の真理は一面的であり、従って抽象的であり、その限り非真理であるために否定され、それに対立....
推理小説論」より 著者:坂口安吾
されるよう、おすすめしたい。又、推理小説に限って、合作する方が名作が生れやすい。一面的な欠点がのぞかれ、多角的に観察され構成されて、トリックも発育し、マンネリズ....
リズムの構造」より 著者:中井正一
寂寥すらが、リズムの内面に規定されて、数多いリズムそのものの構造の展望にとっては一面的不自由性をすらあたえることとなる。それはいわば単に過去の反復をのみ意味し、....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
とは、いかに優れた戯曲を数多く読んでも、俳優としては、どうしても、人物の把え方が一面的になり、型にはまり易くなるのです。一人の人物を舞台に再現する前に、俳優は自....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
。そして種々の大切な物の見方考え方を教えられました。 この頃は私も物事に対して一面的な考え方ではなく種々の方面から眺め、かなりひろい見方をすることができるよう....
解説」より 著者:原田義人
トのものである。ブロートは熱狂的なユダヤ主義者であり、その立場からのカフカ解釈は一面的であるとして多くの人びとから激しい攻撃を浴びた。彼は『カフカの信仰と思想』....
如何に読書すべきか」より 著者:三木清
まなければならぬ。読書の必要はただ一冊の本の人間にならないために、云い換えれば、一面的な人間にならないために、存在するのである。単に自分自身の時代のみでなく、ま....